軽井沢・プリンスショッピングプラザは2026年9月19日から23日まで、フードコート「太陽と緑のキッチン」に有料座席予約サービス「NEW PORT Reserve」を導入する。約450席のうち、6人掛け8テーブル、計48席が対象。料金は1テーブル1時間1,500円で、スマートフォンから予約と決済を行う。

施設によれば、繁忙期には開店前から待機列ができ、大きな荷物を持つ利用者や子ども連れから、事前に席を確保したいという需要があるという。確実に座れる仕組みが利用者の不安を軽減することは間違いない。6人で利用すれば1人250円であり、連休中の安心料として受け入れる層もいるだろう。

しかし、これを「混雑対策」と呼ぶことには違和感が残る。

今回、座席が増設されるわけではない。既存の約450席から48席を予約枠として切り出すため、料金を支払わない利用者が自由に使える席はその分だけ減る。予約者が到着するまでの空席や、少人数による6人掛けテーブルの利用が発生すれば、全体の座席効率が低下する可能性もある。

解消されるのはフードコート全体の混雑ではなく、料金を支払った利用者の「座れるか分からない」という不安だ。施設側が解決すべき不足を残したまま、そこから生じる需要を有料サービスに変える構図とも受け取れる。

フードコートの座席は、単体で販売する商品というより、飲食テナントの利用を支える共用インフラである。施設が収益化すべきなのは席不足そのものではない。座席を利用しやすくすることで滞在時間を延ばし、飲食利用や館内回遊を促すことが本来の形だろう。

まず検討すべきは、混雑状況の可視化、席取りや長時間利用への対応、繁忙期の臨時席、テイクアウトスペースの整備などではないか。有料予約席を設けるとしても、それは無料席の不足を補った後の付加サービスであるべきだ。

今回は5日間、全体の約1割を使った実証実験にとどまる。だからこそ検証すべきは予約件数や売上だけではない。無料席の着席率、待ち時間、飲食店の売上、利用者の不公平感まで含め、施設全体の体験が本当に改善したのかを見る必要がある。

需要があるから料金を取る。その考え方を共用空間へ安易に持ち込めば、商業施設は快適な場所を提供する存在から、不便を商品にする存在へ変わりかねない。ファンダムテック株式会社のプレスリリースから画像を引用。

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