勝てる場所で、勝てる業態で勝負 スガキヤ20年ぶりの関東再進出、その堅実な戦略
スガキコシステムズが運営する「スガキヤ」が、約20年ぶりに関東へ戻ってくる。2026年10月15日にカエデウォーク長津田、同29日に本厚木ミロードイーストへ出店する。今後は神奈川県を皮切りに、関東で3年間に50店舗の展開を目指すという。だが、今回注目したいのは「20年ぶり」という話題性以上に、最初の2店舗をどこに、どのような店として出すのかだ。
関東再進出の1号店に選んだカエデウォーク長津田はユニーの商業施設である。これはスガキヤにとって相性のよい組み合わせだ。スガキヤは1969年、初のショッピングセンター店舗をユニー大曽根店(当時ほていや)に出店。翌1970年には16店、1971年22店、1972年28店とSC出店を重ね、チェーン化を進めてきた歴史がある。スガキヤにとってSCは単なる出店先ではなく、成長を支えた得意立地でもある。
しかも現在のカエデウォーク長津田は、2024年の改装でファミリーへの対応を一段と強めている。約500席に拡大した2階フードコートにはキッズスペースや無料の遊び場を設け、施設側もニューファミリー層への対応を明確にしている。駐車場は1,551台。そこへスガキヤは「親子セット」「スガキヤセット」に加え、ポテト、チキン、新商品のコロッケを投入する。ラーメン専門店として戦うのではない。買い物途中に親子で入り、軽食からデザートまで使える、スガキヤが得意としてきた日常型ファストフードとして勝負する。施設の客層と業態の強みがきれいに重なる。
一方、2号店の本厚木ミロードイーストでは売り方を変える。本厚木駅の2025年度1日平均乗降人員は12万9,950人で、小田急線70駅中7位。ここでは名古屋駅エスカ店などで販売している「朝ラーメンセット」を導入予定だ。長津田が「郊外SC×ファミリー」なら、本厚木は「駅×通勤・通学需要」。同じ神奈川県への出店でも、同じ型をコピーしていない。
スガキヤは過去の関東撤退について、コスト構造とブランド発信の不足を課題として挙げている。その経験を踏まえて厨房改革などを進め、現在は1,000店舗チェーンを長期目標に掲げる。その第一歩が今回の関東50店舗構想だ。
だからこそ、最初から東京の一等地でブランドの知名度を試す必要はない。まず勝てる場所を選ぶ。そして、その場所で勝てる業態設計をする。長津田ではスガキヤが長年磨いてきたSC型、本厚木では駅利用を取り込む都市型。この2店舗は、関東進出を華々しく演出する旗艦店というより、50店舗へ拡大するための「勝ち筋」をつくる店なのだ。
20年ぶりの再挑戦だからこそ、冒険から始めない。勝てる場所で、勝てる業態で、まず勝つ。スガキヤの関東再進出は、意外なほど堅実なところから始まる。同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗概要
【神奈川 1店舗目】2026年10月15日(木)オープン予定
スガキヤ カエデウォーク長津田店 2階フードコート内
〒226-0018 神奈川県横浜市緑区長津田みなみ台4丁目7−1【神奈川 2店舗目】2026年10月29日(木)オープン予定
スガキヤ 本厚木ミロードイースト店 1階
〒243-0013 神奈川県厚木市泉町1−1
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