リカーマウンテンが田園調布にワイン特化店 歓楽街、ロードサイドに続く「高級住宅地」攻略へ
全国で酒類専門店208店舗を展開するリカーマウンテンは2026年9月4日、東京都大田区に「リカーマウンテン田園調布店」をオープンする。東急東横線・目黒線の田園調布駅東口から徒歩3分。銘醸ワインから日常的に楽しめるデイリーワイン、希少なウイスキーまでをそろえる、同社初のワイン特化型店舗となる。
今回の出店で注目したいのは、単に高級住宅地へ高価格帯の商品を並べることではない。リカーマウンテンがこれまで進めてきた、商圏ごとに顧客と店舗の役割を変える戦略が、さらに明確になった点にある。
同社は全国の主要な歓楽街に店舗網を広げてきた。東京都内でも池袋、歌舞伎町、銀座、錦糸町、新橋、西麻布、六本木などへの出店が目立つ。夕方から深夜、店舗によっては早朝まで営業し、飲食店への販売や夜間の需要を取り込む店舗である。一方、郊外では駐車場を備えたロードサイド型店舗を展開し、一般家庭による酒類や飲料のまとめ買いに対応してきた。
歓楽街では業務用と夜間需要、ロードサイドでは家庭のまとめ買い需要。そして田園調布では、ワインを日常的に楽しみ、希少品や贈答品にも支出する層を狙う。共通する調達力を基盤としながら、商圏ごとに品ぞろえ、営業時間、売場の雰囲気を変えるセグメント戦略である。
田園調布店の営業時間は午前11時から午後9時まで。夜の街に対応した店舗とは異なり、地域住民の生活時間に合わせた設定だ。オープン時にはシャンパンくじ、DRCを含むプレミアムセット、希少ワインの限定販売なども予定されており、価格訴求よりも「特別な一本を選ぶ体験」を前面に出す。
ただし、田園調布は競合のいない市場ではない。駅東口から徒歩1分には信濃屋田園調布店があり、輸入ワイン、ウイスキー、和酒に加え、チーズやハム、ソーセージまで扱う。配達にも対応し、地域に根差した酒販店としてすでに顧客基盤を築いている。
リカーマウンテンがここで勝つには、品ぞろえの多さだけでは足りない。全国規模の仕入れを生かした希少商品の確保、ソムリエによる提案、専門店らしい売場づくりによって、既存店とは異なる来店理由をつくれるかが問われる。
田園調布店は単独の高級店というより、高級住宅地向け業態の試金石と見るべきだろう。成功すれば、成城、白金、芦屋など、同様の需要が見込める地域への横展開も考えられる。歓楽街、ロードサイド、高級住宅地へと顧客を分け、それぞれに最適な店を配置するリカーマウンテン。今回の新業態が新たな店舗群へ育つのか、今後の展開が注目される。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗情報】
リカーマウンテン 田園調布店
住所 :〒145-0071
東京都大田区田園調布2丁目44-8
田園アカデミーマンション1階
TEL :03-3722-3220
営業時間 :AM11:00~PM9:00
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