コロワイドが創業地・逗子へ帰還 「甘太郎食堂」で再び地域の日常を取り込む
コロワイドグループのコロワイドダイニングは2026年8月19日、神奈川県逗子市に「甘太郎食堂 逗子店」をオープンする。店舗は2階建てで92席を設け、2階には個室も用意する。営業時間は11時から23時まで。店内飲食に加えて、22時まで出前にも対応する。
今回の出店で注目したいのは、巨大外食グループとなったコロワイドが、創業地で選んだ業態が高級店でも大型居酒屋でもなく、地域の日常に入り込む町中華だったことだ。
コロワイドは1963年、逗子市で飲食店「甘太郎食堂」を営む会社として設立された。1977年には同店を「手作り居酒屋 甘太郎」へ業態転換し、1981年の大船出店を皮切りに多店舗化を進めた。その後は「牛角」「かっぱ寿司」「大戸屋ごはん処」などをグループに加え、2026年3月末時点で2,633店舗を展開する企業へ成長している。
「甘太郎食堂」は、この成長の起点にあった屋号を現代の市場に合わせて再構築した業態だ。2026年3月には横浜・馬車道へ先行出店しており、今回はその業態を創業地へ持ち帰る形となる。ただし、創業当時の店をそのまま再現するのではない。「街ゆく人々の心と胃袋を満たす町中華」を掲げ、ラーメン、チャーハン、麻婆豆腐、こしょうそば、にんにく餃子など、利用目的が分かりやすいメニューをそろえる。
逗子は海水浴やマリンスポーツを目的とした観光客が訪れる一方、駅周辺には昔ながらの飲食店が残り、町中華も地域文化の一部となっている。観光客だけを狙う店では季節や曜日によって需要が変動するが、町中華なら地元住民の昼食、家族の夕食、仕事帰りの飲酒、観光客の食事まで広く受け止められる。
92席の規模、個室、11時から23時までの通し営業、出前対応という構成からも、単なる創業記念店ではないことが分かる。名物として打ち出す直径約12センチの「甘太郎餃子」や昭和風の商品サンプル、おかもちによる出前は、懐かしさを演出しながら店の記憶を地域に定着させる仕掛けでもある。
全国へ拡大した企業が創業地へ戻り、原点の屋号で地域密着型の店をつくる。甘太郎食堂逗子店は、企業の歴史を飾る記念碑ではなく、再び地域の日常に必要とされる店になれるかが問われる出店となる。同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗データ】
■店名:甘太郎食堂 逗子店
■住所:神奈川県逗子市逗子5-2-51■電話番号:046-874-5370
■営業時間11:00~23:00 (出前対応11:00~22:00)
■席数:92席
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