スペースが、沖縄での自営店舗を通じて施設運営につながる実務の蓄積を進める。グループ会社の沖縄スペースは2026年12月、名護市の「あけみおてらす」に「scape general store」を開業する。商品選定から集客、収益改善までを自ら実践し、将来の商業施設運営への参入を目指す取り組みだ。

スペースにとって、施設運営はこれまで接点のなかった領域ではない。2018年に資本提携した旧子会社エム・エス・シーは、2020年に「ブリーゼブリーゼ」「くるる」「豊郷台ショッピングセンターミュゼ」、2021年に「錦糸町駅前プラザビル」の運営管理業務を開始している。グループとして、施設をつくり、テナントを誘致した後の運営にも関わってきた。ただし、両社は2026年2月に資本関係を解消しており、これらは当時のグループ会社による実績として捉える必要がある。

官民連携事業にも参画している。岐阜県各務原市の「木曽川前渡南公園」では、Park-PFIによる整備・運営を担う共同企業体に加わり、設計・監理・サイン計画などを担当した。施設全体の運営を単独で受託した案件ではないものの、長期の事業運営を前提とする公園整備に携わった経験を持つ。

こうした経緯に今回加わるのが、出店者として自ら採算を担う経験だ。施設側からテナントの売上や営業状況を見ることと、仕入れた商品を販売し、在庫や人件費を管理することでは、見える課題が異なる。売場の広さや配置、品揃え、販促が利益にどう結びつくかを日々確かめることは、出店者が営業を続けられる条件を具体的に理解する材料になる。

その実践の場となる「あけみおてらす」は、ゆがふホールディングスを代表企業とする共同事業体が手掛けるPark-PFI施設だ。同店が入る「森の棟」には飲食店などが集まり、地域住民と観光客の利用を想定する。工芸品や生活雑貨、食品を扱う同店では、公園や食事を目的とした来訪を、どのように買い物へつなげるかが問われる。

施設運営に展開するうえで、この経験が生きるのは、にぎわいとテナントの採算を一緒に考える場面だろう。人を集めても店舗が収益を確保できなければ、商業機能は維持しにくい。客層に合った業態構成や、売上につながる回遊・販促を提案する際、自営店舗での検証は判断の裏付けになり得る。

今回の発表に、具体的なPFI事業の受託計画は示されていない。それでも、過去の商業施設運営への関与や公園整備の経験に、小売経営の実務を重ねる意味は大きい。そこで得た知見を施設全体の収支やテナント支援に展開できれば、民間商業施設に加え、PFIやPark-PFIを含む官民連携施設の幅広い運営受託に向けた足掛かりとなる。以下、同社のプレスリリースから画像を引用。

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