WACCA池袋が共用部を「歩く展示」に 大型館とは違う、アートでつくる来館理由
池袋駅東口の複合商業施設「WACCA池袋」は、館内装飾企画「WACCA ANIMAL PARADE / Summer Decoration2026」を2026年7月1日から8月31日まで開催している。高橋祐次、堤岳彦、八田大輔の3人が手がけた動物モチーフの作品を、1階エントランスやエスカレーター周辺、吹き抜け、2階アートスペースなどに展開。作品を一カ所に集めるのではなく、館内を移動する過程で自然に出会える構成とした。
動物を使った夏季装飾だけなら、商業施設では珍しい施策ではない。今回注目すべきは、WACCAが共用部の装飾を単発の販促物として扱わず、館内回遊そのものを展示体験へ変えようとしている点にある。
WACCAは2023年、「場所や地域」を題材に新しい価値観を提示する作品を支援するプロジェクト「WACCA ART」を始動した。現在は展覧会の開催に加え、「WACCA ART Award」を毎年実施し、若手を含むアーティストに発表機会を提供している。今回の装飾も、その継続線上に位置する企画だ。
池袋東口には西武池袋本店や池袋PARCOなどの大型商業施設が集まる。WACCAの館内は、飲食店のほか、ユザワヤ、ダンススクール、ヤマハの音楽教室などで構成されており、物販の集積量で大型館と競う施設ではない。一方で、手芸、音楽、ダンス、アートという「つくる・表現する」機能が重なっている。アートを共用部へ広げる施策は、異なる目的で訪れる利用者を、施設全体の体験で結び直す役割を持つ。
周辺には東京建物 Brillia HALLやTOHOシネマズ池袋などの文化・娯楽施設があり、WACCAでは鑑賞チケットの提示による館内店舗の優待も行っている。観劇や映画鑑賞の前後に立ち寄る人を飲食だけで受け止めるのではなく、館内でも作品との出会いを用意することで、池袋東口の文化回遊に接続しようとしている。
WACCAは、1937年に池袋東口で開館した映画館「日勝館」の流れを受け継ぎ、2014年に開業した。映画館から商業施設へ姿を変えても、文化や娯楽を介して人を集める土地の役割は続いている。
大型館のような売場面積やブランド数を持たない施設が、何を来館理由にするのか。WACCAの答えは、共用部を余白ではなく、作品と人、人と地域をつなぐメディアとして使うことだ。「WACCA ANIMAL PARADE」は夏の装飾であると同時に、中規模商業施設が独自性を積み上げる運営戦略の一場面といえる。以下、プレスリリースから画像を引用。
FOR DEVELOPER
空き区画のテナント誘致でお困りですか?
全国の出店希望テナント情報を活用したリーシングサポートを無料でお試しいただけます。まずはお気軽にデモをご覧ください。
無料デモを申し込む →







