大型店は“小さな商業施設”へ ゼビオが富山で進める一店一ブランドからの転換
ゼビオ株式会社は2026年9月18日、「スーパースポーツゼビオ アクロスプラザ富山掛尾店」をオープンした。総合スポーツ用品のスーパースポーツゼビオを中心に、アウトドア専門店「L-Breath」、スポーツカジュアルの「X’tyle」を集積。足型の3D計測やラケット測定、シューズの体感設備なども導入する。
新店と銘打たれているが、実態は富山市蜷川で営業していた「スーパースポーツゼビオ 富山蜷川店」の移転・増床である。旧店は7月20日に閉店したものの、建物そのものは手放していない。同じ9月18日、跡地に「ゴルフパートナー ヴィクトリアゴルフ富山インター店」が開業した。
つまりゼビオは、従来の総合店をそのまま移したわけではない。総合スポーツ、アウトドア、スポーツカジュアルを新しい商業施設へ移し、旧店は新品・中古クラブを扱う大型ゴルフ専門店へ転換した。一つの総合店が担っていた機能を、客層と来店目的に合わせて二つの拠点へ組み替えた形だ。
新店が入るアクロスプラザ富山掛尾は、富山市公設地方卸売市場の再整備で生まれた余剰地を活用する複合商業施設である。アルプラフーズマーケット、ドラッグトップス、ヤマダデンキなどがそろい、食品や日用品を求める日常の来館者が期待できる。旧店時代の目的買いだけでなく、家族の買い物や施設内回遊からスポーツ用品へ接点を広げられる。
一方、ゴルフは商品単価が高く、試打や計測、買い取りなど専門的な接客が求められる。旧店をゴルフに特化させることで、総合店の一売場では実現しにくかった品揃えとサービスを強化できる。新SCで幅広い生活者を集め、旧店では目的の明確なゴルファーを深く取り込む。撤退を伴わず、既存商圏を二つの業態で取り直す戦略である。
この動きは、同日にイオンモール四條畷で行われたユニクロとPLSTの再編とも重なる。四條畷ではユニクロが超大型店へ移転し、その店内にファーストリテイリンググループのPLSTが出店した。四條畷は店内にブランドを束ねる「集約型」、富山のゼビオは商圏内で機能を切り分ける「分割型」と手法は異なる。それでも、主力ブランドの集客力を土台に、グループの専門ブランドで異なる価格帯や購買目的を拾う点は共通している。
大型テナントは、単一ブランドで大きな売場を埋める存在から、複数業態を組み合わせる“小さな商業施設”へ変わりつつある。施設側にとっても、一つの企業グループに大区画を任せながら、品揃えと客層の幅を広げられる。今回の富山は、ゼビオの移転というより、大手小売が店舗数ではなく業態の組み合わせによって商圏を深掘りする動きとして捉えるべきだろう。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗情報】
■店名:スーパースポーツゼビオ アクロスプラザ富山掛尾店
■住所:〒939-8212
富山県 富山市 掛尾町424-11
■電話番号:076-429-8744
■営業時間:10:00~21:00
※営業時間は急遽変更となる場合がございます。詳しくはHPにてご確認ください。
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