拡大するおにぎり市場に参入 姪浜発サワライズ「コメノコト」が天神へ、飲食事業の都市展開を試す
おにぎり専門店の出店が広がっている。富士経済によると、2024年はターミナル駅や空港などを中心に出店が増え、市場が拡大。2025年も出店エリアの拡大や異業種からの新規参入が続き、おにぎり専門店など低単価メニューに特化した業態は好調だった。手軽さだけでなく、米や海苔、具材にこだわる「専門店化」が進み、人流の多い駅やオフィス立地との相性も鮮明になっている。
その流れの中、福岡市西区を拠点に不動産や飲食などを展開するサワライズが、羽釜炊きおむすび専門店「コメノコト」を10月2日、福岡・天神の天神ビル地下1階「天神よかまち」に開業する。佐賀県産上場コシヒカリや有明海産の海苔を使用し、梅340円、鶏めし290円、辛子明太子340円などを販売。月~土曜の11時から15時まで、テイクアウト専業とし、天神地区で働くオフィスワーカーの昼食需要に照準を合わせる。
注目したいのは、サワライズの飲食事業にとって今回の出店が持つ意味だ。同社は2022年の「ricont」開業以降、「ITARU」、Stong Cafe、STONG bakery、さらに2024年開業の複合施設「MEINOHAMA STEPS」内のkubelto、stong coffee labなど、姪浜・小戸周辺を中心に飲食事業を育ててきた。地元の魚介や野菜を取り入れながら、不動産、飲食、地域づくりを重ねてきたのがこれまでの展開だった。
「コメノコト」はその延長線上にありながら、立地は天神だ。自社の施設や地元エリアの価値を高めるための飲食から、外部の都心立地でも単独業態として成立するかを試す一歩と見ることができる。
出店先の天神ビルは1960年竣工。地下鉄天神駅から徒歩1分、西鉄福岡駅から徒歩2分、天神地下街にも直結する。地下1階の飲食街は長年、周辺で働く人の日常的な食需要を支えてきた場所でもある。 天神ビッグバンによる建て替えが進み、新しいオフィスが次々と供給される天神で、短時間、テイクアウト、300円台を中心とするおむすびは、昼需要への回答として分かりやすい。
ただし天神は、飲食店もコンビニも多い激戦区だ。専門店のおむすびはコンビニ商品より価格帯が上がるだけに、「手軽さ」だけでは差別化しにくい。その点、上場コシヒカリや有明海苔に加え、系列店「ITARU」監修の鶏めしを投入するなど、これまで培った飲食事業の資産を商品に落とし込んでいる点は小さくない。
成長するおにぎり市場を追い風に、姪浜で培った飲食運営を天神へ持ち出すサワライズ。「コメノコト」は一つの新店という以上に、地域密着型で育ててきた飲食事業を都市型ビジネスへ広げられるかを占う試金石になりそうだ。以下同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗名 コメノコト 業種 おむすび・総菜 形態 テイクアウトのみ 営業時間 月曜~土曜 11:00-15:00 定休日 日曜・祝日 住所 〒810-0001
福岡県福岡市中央区天神2丁目12−1天神ビルB1F電話番号 070-8819-1059 @comenocoto
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