訪日客が教えた中国市場 WEGO、痛バから始まった「原宿輸出」を上海で常設化
株式会社ウィゴーは2026年9月29日、中国・上海の淮海中路755に、中国初の実店舗「WEGO HARAJUKU」をオープンする。売場面積は187㎡、約57坪。痛バッグを主体とした推し活カルチャーとトレンドファッションを組み合わせたコンセプトフラッグシップストアとして、中国市場でのブランド展開を本格化する。
今回の出店で主役となるのが「痛バッグ」、通称「痛バ」だ。
痛バとは、アニメやゲーム、アイドルなどの“推し”の缶バッジやアクリルスタンド、キーホルダーなどをバッグの透明部分に並べ、自分だけのデザインに仕上げる推し活アイテム。単なるバッグではなく、「誰を推しているのか」を可視化する自己表現の道具でもある。
WEGOは以前からこの痛バを商品化してきたが、それが思わぬ形で中国市場への入口となった。
2023年、訪日客が戻るなか、東京や大阪のWEGO店舗で中国人客による痛バ購入が目立つようになった。ここから中国での販売を開始し、淘宝、天猫へとEC販路を広げ、さらに上海でPOP UPを実施。ECで「売れる」、POP UPで「人を呼べる」と段階的に確認したうえで、今回の常設店へ進んでいる。
つまりWEGOは、「中国で何を売ろうか」と考えて痛バを持っていったわけではない。日本の店舗で中国人客が大量に買っていた商品を見つけ、その需要を中国側へ戻していった。
今回の「WEGO HARAJUKU」でも、その位置付けは明確だ。WEGO自身が店舗を「痛バックを主体とした推し活カルチャーとトレンドファッションを掛け合わせた」拠点として位置付けている。オープン時には上海限定カラーの痛BAGを投入し、ライラックゴールド、ライラックシルバーの特別仕様も各100個限定で抽選販売する。
ここが一般的なアパレルの海外進出とは少し違う。
ユニクロやZARAなどと、衣料品の品揃えや価格だけで正面から競争するのではない。「推し活」という既に需要が確認できたカテゴリーを入口にして、そこへWEGOのファッションやサブカルチャーを接続していく。
店名が「WEGO SHANGHAI」ではなく、「WEGO HARAJUKU」であることも象徴的だ。
今回、中国へ持ち込むのは服だけではない。痛バ、推し活、サブカルチャー、若者ファッションを含めた「原宿」というカルチャーパッケージだ。WEGOが展開するコミュニケーションレーベル「Whinny」も、この店舗から中国へ初展開する。
そして、この一連の流れで最も興味深いのは、インバウンドの意味だろう。
訪日外国人は日本で買い物をして帰る消費者であると同時に、海外で何が売れるのかを日本の店頭で教えてくれる存在でもある。
中国人客が日本のWEGOで手に取った一つの痛バから、EC、POP UP、そして上海の常設店へ。
WEGOの中国進出は、インバウンドで発見した需要を、そのまま海外市場開拓へつなげた事例として見ると非常に面白い。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■店舗概要
オープン日 :2026年9月29日(火) 10:00
店舗名 :WEGO HARAJUKU(ウィゴー ハラジュク)
所在地 :淮海中路755 1F 上海市黄浦区淮海中路755号
売り場面積 : 187㎡ 57坪
営業時間 :10:00~22:00
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