天下一品、呉駅前に出店 京都の「こってり」がご当地麺文化の街で広げる二つ目の商圏
株式会社天一食品商事は2026年7月10日、広島県呉市の複合商業施設「ゆめタウン呉レクレ館」3階に、「天下一品 呉レクレ店」をオープンした。JR呉駅から徒歩1分の駅直結立地で、カウンター18席とテーブル30席の計48席を設ける。天下一品は1971年に京都の屋台から始まり、鶏がらや野菜を炊き込んだ「こってり」スープを武器に、グループ累計196店舗を展開している。
広島県のラーメンといえば尾道ラーメンが全国的に知られるが、呉にも独自の麺文化がある。1955年頃に生まれたとされる「呉冷麺」は、平打ち麺に甘酸っぱくピリ辛の鶏がら系スープを合わせる呉市民のソウルフードだ。京都発の濃厚な「こってり」は、ご当地の味が根付く街に、全く異なる選択肢を持ち込むことになる。
もっとも、今回が天下一品の呉市初出店というわけではない。市東部の広白石には、マックスバリュ広東店の敷地内に「呉広店」が営業している。共用駐車場55台を備えた呉広店が自動車で訪れる郊外生活圏を主な商圏とするのに対し、呉レクレ店は駅利用者、買い物客、周辺勤務者、観光客を取り込む中心市街地型の店舗である。天下一品は同じ呉市内で、異なる二つの利用動線を押さえることになる。
出店先のレクレは2005年に開業し、2025年にイズミが運営を引き継いだ。現在は「ゆめタウン呉レクレ館」として、呉駅前のにぎわい創出、市民交流、呉市の情報発信を掲げ、段階的な再生が進められている。呉駅からゆめタウン呉、大和ミュージアムを結ぶ自由通路との接続を活かし、3階を飲食フロアとして整備している。天下一品の導入は、話題性だけでなく、昼食、夕食、一人利用、家族利用を受け止める日常的な飲食機能の強化になる。
大和ミュージアムは呉駅から徒歩約5分にあり、新店は観光動線上にも位置する。ただし、呉を訪れる観光客は呉冷麺や呉海自カレー、海産物などの地域食を選ぶ可能性も高い。天下一品にとって観光需要は重要な上乗せではあるものの、店舗を支える中心は、通勤・通学、買い物、仕事帰りといった反復利用になるだろう。22時まで営業する駅前店という利便性も、その見方を補強する。
ご当地麺と全国チェーンの進出は、必ずしも食文化の奪い合いではない。冷たく甘酸っぱい呉冷麺と、温かく濃厚な天下一品では、選ばれる気分や利用場面が異なる。今回の出店で注目すべきなのは、京都ブランドが呉に入ったこと以上に、郊外店に続いて駅・商業・観光が交差する中心部へ進出し、市内で二つ目の商圏を構築した点である。レクレ側にとっても、駅前再生を継続的な来館につなげる、反復利用型テナントの導入といえる。以下、株式会社天一食品商事のプレスリリースから画像と店舗概要と画像を引用。
◆店舗情報
『天下一品 呉レクレ店』
・住所:広島県呉市宝町2-50 ゆめタウン呉レクレ館 3階 ※JR呉駅 徒歩1分
・電話:0823-90-8610
<営業時間>
10:30~22:00(OS 21:45)
・定休日:なし
・卓数(席数):総席数 48席 カウンター席(18席) テーブル席(30席)
・駐車場:有(共同駐車場300台)
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