家具店を出さず、家具が欲しくなる時間を売る アクタスの新業態が自由が丘に似合う理由
2026年9月17日、自由が丘駅前に開業する「JIYUGAOKA MUSE SQUARE」3階に、アクタスの新業態「NODERIUM/SØHOLM CAFE 自由が丘」がオープンする。約55坪のインテリアグリーンショップと約59坪のカフェを一体化した、計114坪の店舗だ。アクタスの発表
植物と北欧家具に囲まれてコーヒーを飲む。一見すると、自由が丘のイメージに素直に合わせた出店に見える。しかし、この組み合わせは雰囲気以上に、街の消費行動とよく噛み合っている。
自由が丘は近隣生活者の日常商圏である一方、カフェ、スイーツ、雑貨、インテリアを目的に街を歩く来街者も多い。目黒区の「自由が丘未来ビジョン」によると、駅500メートル圏は住宅用地が49.0%、商業用地が19.6%。生活者と目的来街者が重なるからこそ、日常利用のカフェと目的購買になりやすい植物を組み合わせる意味がある。
しかも同ビジョンは、自由が丘駅周辺について自然環境が極端に不足していると指摘する。緑の街という印象はあっても、駅前には実際の緑と落ち着いて過ごせる場所が足りない。同店は自由が丘らしさをなぞるだけでなく、街に不足していた「緑の中で過ごす時間」を補う。
館内での役割も明確だ。2階にはRe、3階にはLIVING HOUSE/SEMPRE edit、ハンズなど、家具や生活雑貨を扱う店舗が集まる。植物を見て、北欧家具に座り、食事やコーヒーを楽しめる同店は、個々の物販店をつなぐ「庭」のような存在になる。比較購買で終わりがちなインテリアフロアに滞在時間を加え、来館者を3階まで引き上げる装置でもある。施設公式店舗一覧
ブランド側から見ると、さらに興味深い。NODERIUMは2014年から育ててきた植物事業を基盤とし、SØHOLM CAFEは2005年に始まったカフェブランドである。家具と飲食の併設自体は過去にもあったが、今回は通常のACTUS店舗を出さず、植物とカフェを主役に据えた。家具の購入頻度は低いが、植物やコーヒーなら日常的な接点をつくれる。北欧家具を「売場で見るもの」から「座って過ごすもの」に変え、アクタスの世界観への間口を広げた形だ。
もちろん自由が丘には家具店、雑貨店、カフェが数多くあり、植物と飲食の複合業態も珍しくない。勝負を分けるのは、約半分ずつ割いた二つの業態を本当に一つの体験として運営できるかだろう。植え込みサービスやワークショップ、地元「JIYUGAOKA ROASTERY」の豆を使うコーヒーが、再来店の理由になるかも注目される。
アクタスが自由が丘に持ち込むのは家具店ではない。家具や植物のある暮らしを欲しくさせる時間である。この新業態は、家具のフルラインを入れにくい都市型商業施設に対する、新しい出店モデルになる可能性を持っている。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗名:NODERIUM/SØHOLM CAFE 自由が丘
オープン日:2026年9月17日(木)
所在地:〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1丁目29番1号 自由が丘ミューズスクエア3階
アクセス:東急「自由が丘」駅 徒歩1分
坪数:114坪
営業時間:10:00 〜 20:00
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