那須で人を呼び、渋谷で売る。「バターのいとこ」がつくる地方創生の両輪
株式会社GOODNEWSは2026年9月3日、渋谷スクランブルスクエア1階の東急フードショーエッジに「バターのいとこ 東急フードショーエッジ店」を開業する。渋谷初出店となり、定番商品に加えてスクランブル交差点を描いた限定スリーブセットも販売する。
この出店を、那須発の人気菓子が渋谷へ進出しただけの話として見るのはもったいない。「バターのいとこ」は、バター製造時に生まれ、特に小規模酪農家にとって価値を付けにくかったスキムミルクを、ミルクジャムに加工したことから始まった。地域にあった課題を、消費者が欲しくなる商品へ変えたブランドである。
GOODNEWSは商品を都市へ送り出すだけではない。那須では2022年、食品工場を核に物販店、飲食店、森の散策空間などを組み合わせた「GOOD NEWS」を開業した。製造工場には就労支援機能を持たせ、農業、福祉、観光を一つの事業に接続している。工場自体は通常非公開だが、その周囲を訪れる目的のある複合拠点にした点が重要だ。2025年に開催した「那須冬市」には約4,000人が来場しており、商品が地域へ人を呼ぶ力も育っている。
一方、都市では東京駅、品川駅、新宿、羽田空港、大丸東京など、人が行き交う場所へ常設店を広げてきた。今回の渋谷店は初めての東京進出ではなく、この流れをさらに強める一手である。
こうした循環は理念にとどまっていない。2025年度の「ニッポン新事業創出大賞」では、未利用資源の高付加価値化や障がい者雇用、観光振興への貢献が評価され、売上は2023年の約2.8億円から2025年には約42億円へ拡大したとされる。地域課題の解決を、継続可能な商売に変えてきた結果だ。
地方創生というと、都市から地方へ観光客を呼び込む施策が中心になりやすい。しかし、観光だけでは立地や季節に左右される。GOODNEWSは、那須では工場と商業を観光資源にして人を呼び、都市では商品を販売して地域の事業を支える。地方への集客と、地方から都市への販路を両輪にした仕組みだ。
しかも出店先は、地方物産を集めたアンテナショップではない。エシレやアラン・デュカスなどが並ぶ、渋谷の最前線のスイーツ売場である。地域課題への共感だけで買ってもらうのではなく、味や食感、デザインで選ばれ、その購入が結果として生産や雇用を支える。ここに、このモデルの強さがある。
渋谷は地方創生のゴールではない。那須へ人を呼ぶ拠点に加え、都市の消費を地域の生産へつなぐ第二のエンジンを持つ。その循環が渋谷の一等地まで届いたことこそ、今回の出店が示す到達点だ。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗概要
店舗名:バターのいとこ 東急フードショーエッジ店
オープン日:2026年9月3日(木)
所在地:東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン1階 東急フードショーエッジ
営業時間:10:00~21:00(営業時間は渋谷スクランブルスクエアの営業時間に準じます)
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