全メニュー“完全”グルテンフリー和食「みちのり亭」が名古屋・泉に2号店 医療起点の食事療法を「外食の安心」へ拡張する挑戦
株式会社てまひまは2026年3月3日、名古屋市東区泉に「みちのり亭 泉店」を開業する。名古屋駅近くに2024年11月に開業した「みちのり亭 名古屋駅店」に続く2店舗目で、所在地は名古屋市東区泉3丁目20-23。地下鉄桜通線・高岳駅2番出口から徒歩5分としている。営業時間は11時〜15時、18時〜22時を予定し、席数は26席。
同店が掲げる軸は「完全グルテンフリー和食」だ。小麦だけでなく、大麦・ライ麦・オーツ麦も使用しない方針をうたう。さらに醤油・味噌・だし等の調味料についても原材料確認を徹底する考え方を示しており、単に“グルテンを抜いた料理”ではなく、調理の前提から設計し直す姿勢を前面に出している。
ここで一段、グルテンフリーの来歴を置いておくと、この店の価値が誤解されにくい。グルテンフリーはもともと、誰もが自由に選ぶ嗜好ではなく、セリアック病など、摂取によって体調が悪化し得る人が「避ける必要がある」ことから食事療法として整理されてきた背景がある。そこから食品側では、表示や基準の整備が進み、一定条件を満たす商品を選びやすくする仕組みが広がっていった。一方で外食は、加工食品よりも調理環境の影響を受けやすく、レシピの工夫だけでなく、原材料確認や混入リスクを下げる運用が価値の中心になりやすい。みちのり亭が調味料まで含めて確認する、と明記するのは、この“外食特有の難しさ”に正面から向き合う宣言に近い。
泉店の狙いは、名古屋駅近くの1号店が得意とする「目的来店」から、都心近接エリアでの「日常利用」に広げることにある。食の制約がある人にとって外食は、味の好み以前に「一緒に食べられるか」「同席者を連れて行けるか」が壁になりやすい。日常の中で繰り返し選べる場所が一つ増えることは、当事者の生活だけでなく、同行者の行動設計にも影響する。泉という立地で2号店を出すことは、ブランドを“特別な日の選択肢”から“普段の安心”へ寄せる意思表示と読める。
店舗のつくりも、その方向性に沿う。泉店は古い建物をリノベーションし、梁や柱など既存素材を活かした落ち着きのある空間を特徴としている。ソファ席を備えることも示しており、短時間で食べて出るだけではなく、同席の会話や滞在のしやすさに配慮した設計だと解釈できる。制約のある人だけの“専門店”に閉じず、同伴者も含めて選びやすい外食体験へ寄せる意図が見える。
メニュー面では、泉店限定として「銀だらの西京味噌漬御膳」「ビーフシチュー御膳」、自家製果実シロップのドリンクなどを打ち出す。ここで重要なのは、代替食の我慢ではなく、和食を基軸にしながら選択の幅をつくろうとしている点だ。品目が増えるほど、原材料確認や仕込み・提供の管理は難しくなるため、2号店は「厳格な基準を保ったまま、提供の幅と日常利用を両立できるか」を試される局面になる。
商業施設や街の機能として見るなら、こうした店は単なる集客装置ではなく「来訪の前提を成立させる存在」になり得る。会食や家族利用の場面で、制約を持つ人が一人でもいると候補が一気に狭まる。そのとき、安心して入れる店があるだけで、周辺の滞在や買い回りの機会が失われにくくなる。みちのり亭の出店は、飲食店の新規開業に留まらず、“選べない”を減らすインフラを外食で実装する試みとして評価できる。
今後の注目点は、開業後に日常利用がどこまで積み上がるか、そして「原材料確認を徹底する」という方針を、複数拠点で安定運用として再現できるかにある。限定メニューの継続性、ピーク帯の回転、同伴利用の比率といった運営上の結果が、この店が“街の機能”になれるかを測る評価軸になるだろう。以下、店舗概要と画像を引用。
店舗概要
みちのり亭 泉店(新店)
オープン日:2026年3月3日(火)
所在地:〒461-0001 愛知県名古屋市東区泉3丁目20-23
アクセス:地下鉄桜通線 高岳駅2番出口 徒歩5分
営業時間:11:00〜15:00(LO 14:00)/ 18:00〜22:00(LO 21:00)予定
席数:26席
TEL:052- 710-6371
定休日:不定休
みちのり亭 名古屋駅店(既存店)
所在地:〒453-0015 愛知県名古屋市中村区椿町8-7 2F
アクセス:名古屋駅西口(太閤通口)徒歩3分
営業時間:11:00〜15:00(LO 14:00)/ 18:00〜22:00(LO 21:00)
席数:28席
TEL:052-433-6070
定休日:不定休







