北海道唯一店を札幌駅前で再配置 ザボディショップ、店舗網再構築の次の一手
ザボディショップジャパンは2026年9月9日、「ザボディショップ さっぽろ東急百貨店」を同店1階にオープンする。ブランド創業50周年に合わせた「チェンジメーカーズワークショップ」型店舗で、全国発売に先駆けて「オータムコレクション」も発売する。
一見すると札幌への新規出店だが、今回の意味は少し違う。8月31日には、札幌駅北側の大丸札幌店3階にあった店舗が営業を終了している。公式店舗一覧を見ると、北海道では大丸札幌店の閉店と入れ替わるように、さっぽろ東急百貨店が新たに加わる。つまり北海道唯一の店舗をなくすのではなく、札幌駅前の中で場所を選び直した格好だ。
北海道で1店舗だけを展開するのであれば、「どこに置くか」の意味は大きい。その点で札幌駅前は外しにくい。しかも現在の札幌駅前は、2023年のエスタ閉館を境に商業機能の再配置が進んだ場所でもある。
さっぽろ東急百貨店には2023年、ビックカメラが5・6階、ユニクロとGUが7階に入り、ハンズも8階で営業する。百貨店の商品構成だけでなく、家電、低価格ファッション、生活雑貨まで抱える施設となり、年代や買物目的の異なる客が日常的に行き交う札幌駅前の総合的な商業拠点へ変化している。
さらに注目したいのが売場の位置だ。大丸札幌店では、ザボディショップは婦人服・婦人洋品・ハンドバッグを中心とする3階にあった。新店は、化粧品や服飾雑貨が集まるさっぽろ東急百貨店1階「ビューティー&雑貨」のフロアに入る。シャネル、ディオール、資生堂、イプサなど化粧品ブランドが並ぶフロアであり、ボディケアやスキンケアを探す客との接点は明確になる。
館を移ったこと以上に、「婦人ファッションの3階から、ビューティーの1階へ移った」ことの方が重要だろう。新店舗には製品の香りやテクスチャーを試せるシンクエリアも設ける。ネット販売だけでは伝えにくい商品体験を、来館者との接点が多い売場で改めてつくろうとしている。
この動きの背景には、ザボディショップの日本での立ち位置の変化もある。日本法人の前身は1990年に設立されたイオンフォレストで、長くイオングループの店舗開発力を背景に全国へ店舗網を広げてきた。しかし2020年、イオンはイオンフォレストの全株式を英国The Body Shop International Limitedへ譲渡。同年10月にはザボディショップジャパンへ社名を変更し、イオンとの資本関係は終了した。
もっとも現在もイオンモール盛岡、名取、越谷レイクタウン、羽生などイオン系施設への出店は残る。資本関係は切れても、優良な既存立地まで切り離したわけではない。かつてのグループを背景とした全国展開から、既存店を残しながら一店一店の立地を選ぶ店舗網へ変わってきたと見る方が近い。
ブランド本体も2023年にAureliusへ売却され、2024年にはAuréa Groupを中心とする投資家グループの傘下へ移った。創業50周年を迎えた2026年は、単なる周年ではなく、ブランドをもう一度組み立て直す時期でもある。
だからこそ今回の札幌店は興味深い。店舗数を増やすための北海道出店ではない。北海道唯一のリアル店舗を札幌駅前に集中させ、さらに百貨店3階からビューティー売場の1階へと接点を変え、最新型店舗を投入する。
イオンとともに全国へ広げた時代から、「どの市場に残り、どこでブランドを見せるか」を選ぶ時代へ。札幌での再配置は、再出発するザボディショップの現在を象徴する一店になりそうだ。以下店舗概要と画像を引用。
<店舗情報>
店舗名:ザボディショップ さっぽろ東急百貨店
住所:〒060-8619 北海道札幌市中央区北4条西2丁目 さっぽろ東急百貨店1階
電話番号:011-212-2417
営業時間:10:00~20:00
※館の営業時間に準じます。最新情報はさっぽろ東急百貨店オフィシャルサイトをご確認ください。

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