訪日中国人が半減、りんくうアウトレットが日本ブランドを集める理由
りんくうプレミアム・アウトレットに2026年9~10月、Issey Miyake、Tasaki Special Shop、A Bathing Ape Pirate Store、Salomon、Anelloの5店舗が順次開業する。注目すべきは新店の数ではない。訪日客の構成が大きく変わるなか、海外で認知される日本ブランドをまとめて厚くするリーシングに踏み込んだことだ。
中国政府は2025年11月14日、中国公民に日本への渡航を避けるよう注意喚起した。JNTOによると、2026年1~7月の訪日中国人数は前年同期比56.3%減、7月単月も56.1%減となった。統計上、団体旅行と個人旅行は区別されていないが、旅行会社が造成する団体ツアーほど政策の影響を受けやすい。かつて関空周辺で目立った大型バスによる中国団体客を前提とした市場は、すでに転換期に入っている。
一方、同じ1~7月は韓国が20.3%増、台湾が21.8%増、香港が8.6%増。米国、英国、フランス、ドイツなど欧米市場も前年を上回った。この市場構成の変化は、SNSやブランドサイトで情報を集め、自ら旅程や購入商品を決める個人旅行者への対応を、これまで以上に重要にする。JNTOの2026年7月統計
Issey Miyake、TASAKI、BAPEはいずれも、日本発でありながら海外で指名買いされるブランドである。Salomonはスポーツ用品の枠を超えてファッションブランドとしても支持され、韓国や台湾、欧米の客層とも親和性が高い。Anelloは買いやすい価格帯で、日本ブランドを持ち帰りたい需要を補う。
個々の出店自体が新しいわけではない。Issey Miyakeは御殿場、BAPEのPirate Storeも御殿場や鳥栖で展開し、TASAKIはりんくう館内に既存店がある。今回の意味は、実績のあるブランドを常設中心で束ね、関空対岸に「日本で買う理由」をつくった点にある。
隣接するりんくうプレジャータウンSEACLEは、借地契約満了により2026年10月31日に営業を終了する。食品や日用品、娯楽を担った生活型商業の穴をアウトレットは埋めない。その一方で、りんくうタウンの観光・目的型商業はアウトレットへ一段と集中する。
中国団体客の回復を待つのではなく、アジア、欧米から訪れる多国籍の個人客を取り込む。今回の5店舗は、りんくうが次のインバウンド市場へ合わせて売場を組み替え始めたことを示している。以下、同社のプレスリリースから画像を引用。
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