「名鉄商店」が名駅2店体制へ 百貨店閉店後の地域ギフトを地下動線へ再配置
2026年9月4日、地下鉄名古屋駅直結の地下街「MEICHIKA(メイチカ)」に、「名鉄商店 MEICHIKA」が開業する。2022年に名駅で誕生した1号店、2024年に神宮前駅「あつたnagAya」へ出店した「名鉄商店 ATSUTA」に続く3号店だ。
注目すべきは、3号店という店舗数ではない。既存の名駅店を残したまま、同じ名古屋駅圏にもう一つの店を構えることである。1号店は名鉄バスターミナルビル1階、新店は市営地下鉄名古屋駅直結。巨大ターミナルを一つの商圏として見るのではなく、鉄道会社や改札、地下街によって分かれる人流を、それぞれ独立した商圏として捉えた出店といえる。
新店のテーマは「うれしいを、“もっと”アゲる。」。愛知・岐阜の地域商品に加え、ガトーショコラとフロランタンを重ねた限定菓子「SOU」、愛知・岐阜産茶葉を使ったメレンゲクッキー、名古屋の喫茶文化を表現したコーヒーを展開する。打ち出されているのは観光客向けの定番土産だけではなく、「上質なギフト」と「特別な自分へのご褒美」だ。
これはMEICHIKAの立地とも合う。リニューアル後の同施設は、ドラッグストア、コスメ、パン、惣菜、飲食、整体など、通勤や日常生活に寄り添う17店舗で構成される。名鉄商店は、そこに名古屋らしさと少し高い客単価を持ち込み、日常利用と地域ギフトをつなぐ役割を担う。
背景には、名駅における名鉄グループの小売再編もある。名鉄百貨店本店は2026年2月に営業を終了し、外商事業は3月に名鉄生活創研へ承継された。同社は4月に、エスカ地下街で定番土産を扱う「なごみゃ」も承継している。同社の沿革を見ると、百貨店、外商、総合土産店、地域商品を共同開発する名鉄商店という機能を分け、顧客と動線に合わせて再配置する体制が整いつつある。
もちろん、名古屋駅にはPLUSTAやエスカの土産店、ジェイアール名古屋タカシマヤなど強力な競合がある。品揃えの広さや営業時間では、それらに分がある。名鉄商店が勝つには、既存店との役割を分け、「ここでしか買えない」「人に話したくなる」という商品価値を磨く必要がある。
今回の出店は、百貨店という大きな箱を失った名鉄が小売から後退する話ではない。地域と贈答を編集する機能を小型専門店へ移し、名駅の異なる動線へ分散していく動きである。名駅で始まっているのは、百貨店の消滅ではなく、その機能の組み替えなのかもしれない。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
オープン日:9月4日(金) 10:00
店 舗 名:名鉄商店 MEICHIKA
住 所:名古屋市中村区名駅三丁目14番15号先
電話番号 :052-526-7822
営業時間 :10:00~20:00(定休日なし)
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