LEPSIM、浦和パルコとららぽーと富士見に4月連続出店 LOWRYS FARMの延長線上で育った“大人女性の受け皿”を埼玉で拡張
アダストリアの「LEPSIM(レプシィム)」が、2026年4月17日に浦和パルコ、4月24日にららぽーと富士見へ新規出店する。今回の2店開業により、埼玉県内の店舗数は12店舗に拡大する。ブランド創立20周年の節目にあわせたアニバーサリー限定グッズの販売や、人気インフルエンサースタッフの来店イベントも予定されており、新店自体を売場拡張だけで終わらせず、スタッフ接点まで含めた集客装置として設計していることがうかがえる。
今回の出店を商業施設ニュースとして見るうえで重要なのは、LEPSIMが単なる婦人服ブランドではなく、LOWRYS FARMの延長線上から生まれたブランドだという点だ。LEPSIMはもともと「LEPSIM LOWRYS FARM」として展開され、2016年3月に現在のブランド名へ変更された。その際アダストリアは、ブランドの母体がLOWRYS FARMであることを明示しつつ、LEPSIMはそこから独自進化を遂げた存在であり、「女性の生涯に寄り添う“ライフタイムブランド”」を目指すと説明している。つまり、若年カジュアルで強い存在感を持ったLOWRYS FARMの顧客が年齢やライフステージを重ねた先を受け止める役割を、LEPSIMが担ってきた構図が見えてくる。
実際にLEPSIMは、その後のブランド運営の中でターゲットをより明確に大人世代へ寄せている。2019年にはコアターゲットを40代女性に据えたリブランディングが行われ、2021年時点の公式発信でも「40代以上の女性」をコアターゲットとすることが示されていた。現在のブランド紹介でも、LEPSIMは「自由でシンプルな大人女性ブランド」と位置づけられ、国内115店舗を展開している。ここから読み取れるのは、LEPSIMがLOWRYS FARMの別名義ではなく、同社の年齢軸を横に広げるための受け皿として独自の販路と顧客基盤を築いてきたということだ。
そのうえで出店先を見ると、浦和パルコとららぽーと富士見の組み合わせは象徴的だ。浦和パルコは浦和駅前立地で、3階にレディスファッションフロアを持つ駅前商業施設である。浦和駅は埼玉県の駅利用者数ランキングでも上位に入る高い交通集積を持ち、通勤・通学に加え、行政・商業の中心地としての機能も強い。日常的な駅利用の延長で立ち寄れる館にLEPSIMが入ることは、感度一辺倒ではない“ちょうどよい大人服”を、生活動線の中で拾いにいく出店と言える。
一方のららぽーと富士見は、東武東上線エリア最大級の商業施設として運営され、約290店規模を抱える広域集客型SCだ。開業時から20~40代比率の高い商圏、厚いファミリー層を想定しており、コミュニティや体験を重視する施設として育てられてきた。LEPSIMがここに入る意味は大きい。LOWRYS FARM的な若年トレンドではなく、家族単位で来館する生活者の中でも、母親世代や大人女性の日常着需要をしっかり取りにいくからだ。駅前の浦和パルコと郊外ファミリーSCのららぽーと富士見を同時期に押さえることで、LEPSIMは埼玉県内で「働く日常」と「家族で過ごす週末」の両方の生活接点を押さえにきたと見てよい。
加えて、今回のリリースでインフルエンサースタッフ来店イベントを打ち出している点も見逃せない。LEPSIMは商品だけでなく、スタッフの着こなし提案や共感接客をブランド価値の一部として育ててきた。大人女性向けブランドでは、単に価格とベーシックさだけでは選ばれにくい。体形変化や生活シーンの変化を前提に、「どう着れば自分に馴染むか」をスタッフが言語化できるかが来店理由になる。新店開業時に人気スタッフ接点を前面に出すのは、館側にとっても“売る店”以上に“目的来店をつくる店”として機能する可能性がある。
今回の2店は、単なる販路拡大ではない。LOWRYS FARMの系譜を引きながら、年齢を重ねた顧客に向けて独自進化してきたLEPSIMが、駅前と郊外SCの双方で大人女性の日常需要を取り込む動きである。若い頃にアダストリアの服を着ていた顧客を、年齢とともに別ブランドで受け止め続ける。その循環を商業施設の中でどう成立させるかという点で、今回の埼玉連続出店は、アダストリアのブランド階層戦略が見えやすい事例といえそうだ。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
<店舗詳細>
■浦和パルコ店
所在地:埼玉県さいたま市浦和区東高砂町11-1 浦和パルコ3階
営業時間:10:00-21:00
■ららぽーと富士見店
所在地:埼玉県富士見市山室1-1313 ららぽーと富士見2階
営業時間:平日10:00-20:00 土・日・祝 10:00-21:00




