アークテリクス、ニュウマン高輪と池袋東武に旗艦級ブランドストアを今秋同時出店──都市型高感度商業エリアで体験価値を深化
カナダ・バンクーバー発のアウトドアブランド「アークテリクス」が、2025年秋に東京都内の2大商業エリア──高輪と池袋──に新たなブランドストアを同時開業する。高輪ゲートウェイ駅前の大規模開発「ニュウマン高輪」および、池袋駅直結の「東武百貨店 池袋店」への出店である。いずれもJR山手線沿線のターミナル立地で、都市型アウトドア市場の拡大を背景としたブランド戦略の一環とみられる。
アークテリクスは1989年にカナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーで誕生。アルパインクライミングやハイキングを主軸とする本格的なアウトドアギアをルーツに持ちつつ、現在では都市生活における高機能ファッションウェアとしても認知を拡大している。その国内展開は、当初は専門店やセレクトショップでの取り扱いから始まり、2000年代以降はフィンランドに本社を置く多国籍ブランドグループ、アメアスポーツ(現:中国Anta Sports傘下)の日本法人「アメアスポーツジャパン」が主導する形で直営体制へと移行。札幌、原宿、丸の内、横浜など都市圏を中心に店舗網を広げ、現在は年間2〜4店のペースで新規出店を続けている。
今回発表された高輪の「アークテリクス ニュウマン高輪ブランドストア」は、2025年9月に開業予定の都市型複合施設「ニュウマン高輪 North」3階に出店。ルミネ最大規模となる当該施設の中核エリアに位置し、257㎡超の売場にゆとりある導線設計を採用する。ビジネス客と観光客が交差する新駅直結の拠点で、ハイエンドな商品展開とブランドの世界観を伝える場と位置づけられる。
一方、池袋の「アークテリクス 池袋東武ブランドストア」は、10月に東武百貨店 池袋店の1階に開業予定。売場面積は528㎡に達し、国内最大規模となる1フロア展開となる。定番のアパレルやフットウェア、バックパックのほか、アーバンライン「VEILANCE」シリーズも揃え、サステナブル対応の「ReBIRD™サービスセンター」を併設する点が特徴。これは製品のメンテナンスや洗濯サポートを通じて、顧客の製品理解とロイヤルティを高める新たなブランド体験施策の一環で、国内では札幌・原宿に続く3店舗目となる。
アウトドアブランド市場はここ数年で急速に拡大しており、特に都市型高機能ウェアは通勤・タウンユース用途を含めた高感度層に浸透。アークテリクスはその中でも、製品設計力とクラフトマンシップを両立させたラグジュアリー志向のアウトドアブランドとして頭一つ抜けた存在感を放っている。サステナビリティ対応、限定商品の人気、二次流通市場でのプレミア化といった現象は、そのブランド力の裏付けといえるだろう。
また、今回の2店舗はいずれも都市再開発や館全体のリブランディングと連動した出店となっており、施設運営側にとってもアークテリクスの誘致はシグネチャーテナントとしての意味合いが強い。高輪では「街の核」となる新駅商業の象徴として、池袋では既存百貨店のフルリニューアル戦略の一端として、それぞれの商業施設に対し強い波及効果が期待される。
アークテリクスの今回の動きは、単なる店舗拡大という域を超え、ブランドの体験価値を都市生活者にどう提示するかという問いに対する具体的な回答といえる。今後の商業施設におけるアウトドアブランドの位置づけにも大きな影響を与える出店となりそうだ。以下、アメアスポーツジャパン株式会社のプレスリリースから各店舗の概要と画像を引用。
アークテリクス ニュウマン高輪ブランドストア
【店舗情報】
オープン日: 2025年9月12日(金)予定
所在地: 東京都港区高輪二丁目21番1号 ニュウマン高輪 North 3F
売場面積: 257.2㎡/77.80坪
アークテリクス 池袋東武ブランドストア
オープン日: 2025年10月30日(木)予定
所在地: 東京都豊島区西池袋1丁目1-25 東武百貨店 池袋店 1F
売場面積: 528.8㎡/159.72坪