グラニフ福岡天神が2025年7月26日開業へ──旗艦店戦略でポップカルチャーとローカルを融合
株式会社グラニフが新たに開業する「グラニフ福岡天神」は、旗艦店としては原宿に続く2店舗目となる。出店地は若年層や観光客でにぎわう福岡・天神西通りで、商業集積が高まる同エリアにおいて、ブランド最大面積となる約160坪の大型店として2025年7月26日にグランドオープンする。
同店舗は、2021年の経営体制刷新後に推進されたリブランディング戦略の延長線上にある。グラニフは近年、オンラインストアを軸に商品領域を拡大し、Tシャツにとどまらないライフスタイル型ブランドへの転換を進めてきた。その中で旗艦店は、単なる販売拠点ではなく“リアルなブランド体験の場”として位置づけられており、今回の福岡出店もその流れを体現するものである。
店内には、東京に続く2店舗目の「グラニフカフェ」が併設され、福岡のスペシャルティコーヒー専門店「REC COFFEE」やそのパティスリーブランド「SAISON DES RÉCOLTES」との連携による限定スイーツを展開する。また、新キャラクター「アイスボン」とのコラボによるアイスクリームメニューの導入など、滞在時間を延ばす仕掛けも盛り込まれ、飲食体験も含めた複合的な空間設計となっている。
さらに注目されるのは、地元福岡を代表する銘菓「チロリアン」(千鳥屋)、「にわかせんぺい」(東雲堂)とのコラボレーションだ。オリジナルキャラクター「ビューティフルシャドー」「イカク」との掛け合わせで、Tシャツ、ぬいぐるみチャーム、ステーショナリーなどが店舗限定商品として販売される予定である。これはグラニフにとって初のローカル企業との協業であり、観光土産としての需要を見据えた取り組みともいえる。
このようなコンテンツ融合型の業態は、近年のグラニフが注力する“旗艦店=スタジオ”という発信拠点化の一環とみられる。背景には、従来のリアル店舗から、EC主軸へと移行しつつある販売構造がある。既存店の改装や新フォーマット導入と並行して、旗艦店はブランド世界観の体験・可視化・拡散を担う場として再定義されており、体験価値による集客力が求められている。
福岡天神における出店は、九州エリアの拠点整備としての意味も持ち、天神ビブレ跡の再開発や西鉄天神駅周辺の集客強化が進むなかで、グラニフの旗艦店はポップカルチャーとローカル性の融合によって一線を画す店舗となる可能性が高い。リアルとデジタル、地域とブランドが交差する場として、今後の旗艦店展開の新たなモデルケースとして注目される。以下、株式会社グラニフのプレスリリースから店舗概要と画像を引用。
店舗概要
オープン日:2025年7月26日(土) 10:00グランドオープン
住所:810-0041 福岡県福岡市中央区大名1-15-1 天神西通りスクエア 1F
アクセス:西鉄福岡(天神)駅 徒歩4分
営業時間:10:00〜21:00(カフェラストオーダー 20:30)