観光地・浅草の“ヘアスタイルの整えニーズ”に対応 浅草EKIMISEでReCute導入、東武×スタートアップ共創の新たなモデル
観光都市・浅草の中核商業施設「浅草EKIMISE」にて、ヘアアイロンのレンタルスポット「ReCute(リキュート)」の導入が開始された。設置は2025年6月18日、4階のパウダールームに1台ずつ設置される。外出先で気軽に髪を整えたいというニーズに応えるサービスで、浅草エリアでは初の展開となる。
ReCuteは、街なかの化粧室に専用ボックスを設置し、スマートフォンのアプリから簡単にヘアアイロンをレンタルできる仕組み。利用者はアプリを通じてQRコードを読み込み、ボックスを開錠。取り出したヘアアイロンでヘアセットを済ませた後、写真で返却完了を報告するというシンプルな流れで、滞在先でも美容室に立ち寄ることなく髪型を整えることができる。
こうしたニーズは、浅草という地域性と密接に関係している。浅草には、着物体験や撮影プランなど、観光と装いが一体化したサービスが多く存在し、特に女性観光客からは「外出先で巻き直しができる場所が欲しい」との声が多く上がっていた。ReCuteの設置によって、駅直結の商業施設内でその需要に対応し、観光体験の快適性向上に寄与する構えだ。
今回の取り組みは、単なるテナント導入にとどまらず、鉄道会社とスタートアップによる共創の成果としても注目される。ReCuteを導入したのは、東武鉄道が展開する「TOBU Open Innovation Program」の一環。観光アセットの活用を軸に、スタートアップと地域価値の再創出を目指すものであり、本件はその具体的成果のひとつとなる。また、鉄道事業者を横断して社会課題の解決を推進するプログラム「TRIP(Tokyo Railway Innovation Partnership)」による支援も受けている。
美容に関するパーソナルニーズが都市や観光地で顕在化するなか、商業施設に求められる役割もまた拡張している。物販中心から「体験支援」へ。従来はカフェやイベントスペースが担ってきた滞在価値の向上に、ReCuteのような非物販型の付加価値が加わることで、商業施設が提供できる“過ごし方”の幅は着実に広がっている。
浅草EKIMISEでは、今後もReCuteのような柔軟な機能導入を通じ、観光地としての利便性を補完する取り組みを進めていく方針だ。観光体験の起点であり、鉄道アクセスのハブでもある商業施設が、新たな“美のインフラ”の受け皿となるこの事例は、都市観光と商業の関係性を再考する契機ともなりそうである。以下、株式会社 ReCuteのプレスリリースから画像を引用。