水戸・千波公園に「みと好文テラス」開業へ 偕楽園・千波湖を“滞在する湖畔拠点”へ変えるPark-PFI事業
水戸市の千波公園に、Park-PFI制度を活用した複合施設「みと好文テラス」が2026年4月23日に開業する。所在地は茨城県水戸市千波町3081-1、旧千波湖西駐車場エリア。事業を担うのは、大和リースを代表企業とし、アダストリア、横須賀満夫建築設計事務所で構成する企業グループである。営業時間は7時から21時までを基本とし、施設内には飲食、物販、アウトドア、スポーツ、サウナ、芝生広場、3on3コート、駐車場、駐輪場などを配置する。水戸市は同施設を、市民の憩いの場としてだけでなく、観光交流の拠点として活用する複合施設と位置づけている。
施設は、千波公園の黄門像広場周辺地区に整備される。千波湖、偕楽園、好文亭と連続する水戸を代表する景観エリアであり、観梅や散策を目的とした観光客に加え、ランニングや日常の公園利用を行う市民も多い場所である。これまでの千波湖周辺は、景色を見る、歩く、休むという利用が中心だったが、「みと好文テラス」はそこに食事、買い物、アウトドア、サウナ、スポーツを加え、滞在時間を伸ばす役割を担う。
出店構成を見ると、施設の性格はかなり明確である。公式サイトでは、農産直売所「あぜみち」、ベーカリー「パン工房ぐるぐる」、さつまいも専門店「POTATO LABO」、和菓子の「好文だんご本舗」、カフェ「ドトール パークカフェ」、アウトドア拠点「SEMBAKO BASE CAMP」、着物販売・レンタルの「千成屋」、ブルワリーレストラン「SENBA BREWERY & GRILL」、海鮮和食「梅とココロ」、レストラン「IBARAKI四季彩 Restaurant Aoyama」、サウナ・BBQ・カフェ・物販・スポーツコートなどを展開する「niko and … BASE」などが確認できる。農産物、ベーカリー、カフェ、和菓子、レストラン、アウトドア、サウナ、スポーツが一体となることで、単なる飲食施設ではなく、湖畔で過ごす時間そのものを組み立てる施設になっている。
特に「niko and … BASE」は、この事業の象徴的な存在である。アダストリアは水戸発祥の企業であり、同社がスタイルエディトリアルブランド「niko and …」を通じて、公園内に常設型の体験拠点を展開する意味は大きい。サウナ、バーベキュー、カフェラウンジ、物販、多目的コート、ランニングステーションなどを組み合わせることで、従来の物販店舗とは異なるブランド接点をつくる。アパレル・雑貨ブランドが、公園という公共空間の中で「過ごし方」を編集する動きとしても注目される。
一方、地域性を支えるのが、地元・周辺需要に接続するテナント群である。パン工房ぐるぐるは、水戸偕楽園店として出店し、ベーカリー需要を取り込む。SEMBAKO BASE CAMPは、カヤック、焚火ラウンジ、ノンアルカフェ、パークグッズレンタル、ランニングロッカーなどを備え、千波湖の自然を体験するための拠点となる。SENBA BREWERY & GRILLは、千波湖を望むロケーションで自家醸造のクラフトビールと料理を提供するブルワリーレストランとして位置づけられている。観光客の一時利用だけでなく、市民が週末や日常の延長で訪れる理由をつくる構成である。
事業方式も重要である。「みと好文テラス」は、通常の民間商業施設ではなく、Park-PFIによる公園拠点整備事業として進められてきた。水戸市が実施した「千波公園(黄門像広場周辺地区)拠点整備事業」の公募では、大和リース・アダストリアグループが最優秀提案者に選定された。公園の景観、観光動線、地域振興、利用者ニーズ、事業継続性などが評価対象となる中で選ばれた事業であり、単に店舗を並べるのではなく、公園全体の使われ方を変える提案として進んできた。
施設名の「好文」は、梅の異名であり、偕楽園の好文亭とも重なる。水戸の観光資源である梅、偕楽園、千波湖の文脈を受け継ぎながら、現代的な公園利用へ接続する名称だといえる。観光地としての水戸は、梅まつりや偕楽園の季節性に強みを持つ一方、季節外や短時間滞在の課題も抱えやすい。「みと好文テラス」は、食、休憩、買い物、アウトドア、サウナ、スポーツを重ねることで、季節イベントに依存しない来訪動機を生み出そうとしている。
アクセス面では、JR水戸駅から徒歩約30分、バスでは「千波湖」下車すぐの立地となる。駅前型の商業施設ではないため、強い通行量に依存する場所ではない。その分、施設自体が目的地化できるかどうかが重要になる。ベーカリーやカフェだけでなく、サウナ、BBQ、カヤック、ランニングロッカー、スポーツコートまで備える構成は、短時間の立ち寄りだけでなく、半日単位での滞在を意識したものと見られる。
水戸にとって「みと好文テラス」は、千波湖畔の使い方を広げる施設になる。偕楽園・千波湖周辺は、歴史や景観の価値がすでにある場所だが、そこに商業・体験・休憩機能が加わることで、観光客にとっては旅程の中で過ごしやすい拠点となり、市民にとっては日常的に使える湖畔の居場所となる。公園の公共性を保ちながら、民間事業者の企画力で滞在価値を高められるかが、開業後の焦点となる。
今回の開業は、個別テナントの出店ニュースにとどまらない。大和リースのPark-PFI事業運営、アダストリアの創業地・水戸での体験型ブランド展開、地元飲食・物販・アウトドア事業者の集積が重なり、千波公園に新しい利用シーンを持ち込む動きである。水戸の湖畔は、眺める場所から、食べ、遊び、整い、滞在する場所へと役割を広げようとしている。以下画像を大和ハウス工業株式会社のプレスリリースから引用。
施設概要
施設名:みと好文テラス
所在地:茨城県水戸市千波町3081-1(旧千波湖西駐車場)
開業日:2026年4月23日
営業時間:7時00分〜21時00分
※各店舗・施設により営業時間は異なる。開業初日の2026年4月23日は10時30分から。
事業方式:Park-PFI(公募設置管理制度)
事業主体:大和リース株式会社を代表企業とする企業グループ
構成企業:大和リース株式会社、株式会社アダストリア、株式会社横須賀満夫建築設計事務所
主な施設内容:農産物直売所、ベーカリー、カフェ、レストラン、アウトドア関連施設、サウナ、スポーツコート、3on3コート、芝生広場、トイレ、駐車場、駐輪場ほか
アクセス:JR水戸駅から徒歩約30分、関東鉄道バス「千波湖」下車すぐ、常磐自動車道水戸ICから車で約20分
位置づけ:千波公園黄門像広場周辺地区の拠点整備事業として、飲食・物販・アウトドア・スポーツ・サウナなどを備え、市民の憩いの場と観光交流拠点の両方を担う複合施設。水戸市は、旧千波湖西駐車場エリアの整備として本施設を位置づけている。
主な出店・施設
農産直売所 あぜみち:農産直売所。2026年8月オープン予定。
パン工房ぐるぐる:ベーカリー。営業時間は10時00分〜19時00分、19時00分〜10時00分は無人販売。
POTATO LABO:さつまいも専門店。営業時間は10時00分〜18時00分。
好文だんご本舗:和菓子。営業時間は9時00分〜17時00分。
ドトール パークカフェ:カフェ。営業時間は8時00分〜19時00分。
SEMBAKO BASE CAMP:アウトドア関連施設。カヤック、焚火ラウンジ、ノンアルカフェ、パークグッズレンタル、ランニングロッカーなどを展開。
千成屋:着物販売・レンタル。
SENBA BREWERY & GRILL:ブルワリーレストラン。営業時間は10時30分〜21時00分。
梅とココロ:海鮮和食。2026年10月オープン予定。
IBARAKI四季彩 Restaurant Aoyama:レストラン。
niko and … BASE:サウナ、バーベキュー施設、カフェ、物販、スポーツコート運営。ブランド初の常設サウナを備え、niko and … COFFEEのカフェラウンジ、手ぶらで楽しめるバーベキューエリア、多目的コート、ランニングステーションなどを展開する。
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