AIを活用した時短型ジム誕生
厚生労働省大臣官房総務課の資料によると2007年時点のデータで運動不足が原因で4万人超が循環器系の疾患(⾼⾎圧・⼼疾患・脳⾎管疾患・動脈瘤)で亡くなり、残りの1万弱が癌や糖尿病で亡くなられているとのこと。高血糖や肥満も運動不足で発生するとすると合算値で高血糖が3万人、肥満で1.8万人。合わせて10万人程度が運動不足で亡くなられていることになる。千葉の印西市や埼玉の東松山市の総人口がそれぞれ10万に程度なので、日本の地方都市が一つ無くなるくらい運動不足は深刻な問題になっている。この運動不足を解消するビジネスは毎年様々な業態が生まれているのだが、なかなか定着しないし顧客も継続することができていない。その理由のとしては色々あるとおもうが、スマートフォンの普及が一つ大きな鍵になっているのではないかと私は考えている。
老いも若きも1日の長さは24時間1440分は変わらない。この1440分の時間をスマートフォンに奪われている時間の長さというと現在尋常ではない。2021年アメリカでは平均3時間46分。日本はという各種調査を並べてみてもだいたい3時間程度になる。1日のうちの睡眠時間が短い人で6時間。食事の時間が30分で3回済ませても1.5時間。この時点で10時間を超えている。仕事の時間などを差し引くと1日のうちで使える時間がスマートフォンの利用が増えれば増えるほどなくなっていく。商業全般に言えることだが、スマートフォンの時間を奪うコンテンツを作り上げるか?それともスマートフォンで奪われた時間と共存するように短い時間で利用可能なコンテンツをつくりあげるしかない。
こういった背景を受け時短のフィットネスジムが生まれている。数年前だが株式会社MTGが展開するトレーニング・ギア『SIXPAD』ブランドの店舗となるSIXPAD STATION(シックスパッドステーション)が1回の運動15分というパーソナルトレーニングジムを開業。それより前には忙しい女性のための1日30分の体操教室カーブスが日本各地にFCを展開し人気にもなった。時短フィットネスに株式会社快活フロンティアも今回参入。今回生まれたジム、新業態「ライナ」では国内でも導入例の少ないイタリア Technogym 社の Biocircuit™を導入し1 セット 15 分で完結する自動サーキットトレーニング環境を整備。利用者ごとの体力、筋力、目標に合わせて各トレーニングマシンの設定(運動負荷、シート位置等)を AI が最適値に自動調整してくれるため、ジム通い経験のない初心者にも安心のシステムになっているとのこと。同社がこれまで展開してきた「FiT24」は中上級者を対象、今回の「ライナ」は初級者をターゲットしているとのこと。
株式会社快活フロンティアはAOKI グループなので、グループ内店舗の遊休スペース活用に今回の「ライナ」業態で挑むとのこと。都市型立地、ロードサイドあらゆるところにこの業態が生まれ日本が抱える社会的な健康問題を健康とテクノロジーで解決していくのかもしれない。以下、株式会社快活フロンティアのプレスリリースから画像を引用。