イオンシネマが新業態となる小型シネマコンプレックス開業
最近映画見に行っていますか?コロナ以降なかなか映画館に行くことが億劫となってしまった方も多いのではないでしょうか?これは世代間が結構異なるものなのかもしれません。マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが2022年に実施した調査によると20代の映画鑑賞方法は48%が映画館で鑑賞するがテレビ放送で映画を見るのは30%前後。逆に40代以降はテレビ放送で見ると答えた人が50%を超える結果になったが映画館で見ると答えた40代以上は37%前後という結果に。では、ネットフリックスやアマゾンプライムなどの映像配信はどうかというと20代〜30代で40%前後が見ていると答えている。
映像配信がジリジリとコロナ禍前後から伸びてきていたが、顕著に数字として映画館で見ないで家で配信される動画を見るという人が増加している。この状況下で映画館のバリューとは何か?を映画館側も考えざるを得ない状況となっている。同じクロス・マーケティングの調査によると映画館に映画を見に行くときの楽しみや目的トップ3は以下のようになっている。1位は大きなスクリーンで楽しめること、2位は良い音響や大音量で映画を楽しめること、3位は一人でゆっくり映画を楽しめること。この7月にイオンエンターテイメント株式会社が地域密着型商業施設「イオンモールとなみ」に砺波市初のシネマコンプレックス「イオンシネマとなみ」を開業するとのこと。
この新店のコンセプトが優れていて5スクリーンのコンパクトなシネマコンプレックス。映像配信が増加している状況下で10以上のスクリーンは必要ないし、対象となる市場規模に応じてシネマコンプレックスもサイズを変更すべきです。これは大英断なのではないかと思っています。同時に全スクリーンで通常席、ハイグレードなレザー仕上げ、電動リクライニングシート、寝そべるようにリラックスして鑑賞できるコンフォートシートの3つを選ぶことができる点も◎。5つと絞られたスクリーンでもちゃんと観客が好きな席を選べるのは良いのではないでしょうか?
今や映画館にはどこでも設置されている立体音響技術「ドルビーアトモス*」に関しては国内で初めて全てのスクリーンで導入しているとのこと。スクリーン数を絞って、映像のクオリティと音響のクオリティは高める。そうすることで地方都市でも観客は自宅では体験できない特別な体験を享受することができる。なかなか素晴らしい映画館なのではないかと思います。今後映像配信が進んでいくなかで映画館の生き残り方が今後シビアに考えられ、スクラップアンドビルドが行われることになりそうですが、地方都市の文化を支える意味でもこういった小さなシネマコンプレックスは今後増えていくのではないかと思われます。以下、イオンエンターテイメント株式会社のプレスリリースから画像と劇場概要を引用。
*Dolby、ドルビー、Dolby Atmos、およびダブルD記号は、
アメリカ合衆国および/またはその他の国におけるドルビーラボラトリーズの商標または登録商標です。
劇場概要
劇場名 イオンシネマとなみ
所在地 富山県砺波市中神1丁目174番地イオンモールとなみ1階区画
総支配人 内野 巧
開業日 2023年7月
スクリーン数 5スクリーン
座席数 414席(車椅子スペース含む)