コンテンツとしての外食ビジネス
ビルボード100に20世紀からランクインする楽曲の多くは特定ルーツの民族の保有するリズムなどをベースにする楽曲が多かった。今やメジャーとなっているラップでさえも西アフリカルーツとなっている。21世紀に入り世界中の音楽のリズムがインターネットを通じて開かれていき、もはや音楽に暗黒大陸も黄金郷も存在しない状況になりテクノなどのコンピューターを使用した楽曲と民族ルーツのリズムをかけ合わせた音楽がヒットチャートに入るようになっていった。
これと同じようなことがレストランの世界にもある。NYや東京、パリ、ロンドンなどで一気に花開いたのがエスニック料理。人々がまだ食したことがない料理にこぞって大勢の人々が魅了され行列をなしてレストランに集まっていった。当時のブームは一過性のものがあったが、エスニック料理は創作料理へと進化していった。1970年代フランスで花開いたヌーベル・キュジーヌと重なり、それぞれのエスニック料理は進化していくことになった。それらの進化系エスニック料理のブームも一段落した2000年代からレストランではまた一つの流れが生まれた。それはソウルフード。
それぞれの土地柄、文化性、などを反映した、その地域独特のメニューのことをさす。当初期は日本国内の各地域のソウルフードが注目されていたが2010年代以降は各国のソウルフードに注目が徐々に集まり始め、エスニック料理のソウルフードが注目されるようになっていった。今回のニュースはファンクリックス株式会社が既存店舗を韓国屋台のソウルフードである鶏肉や豚肉をヤンニョムソースにつけて食べる『タッコチ』や、クミンなどのスパイスを効かせた羊串の『ヤンコチ』をメインに提供する店舗としてリニューアルしたというもの。
もはやレストランは味、雰囲気もさることながら食を通じた「コンテンツビジネス」化していっている。より目新しく、多くの人が興味を持つコンテンツを通じて、メニューの味を伝えていくビジネス。ファンクリックス株式会社は昨今の韓国文化ブームを受けての韓国ソウルフードコンテンツで菖蒲したわけだが、今後も様々な国のエスニックソウルフードで新店をオープンする店が増えていくのかもしれない。以下、ファンクリックス株式会社のプレスリリースより画像と店舗概要を引用。
◼︎店舗情報
店名:韓国屋台꼬치꼬치(kochikochi)
住所:神奈川県川崎市中原区新丸子東1-772-5
電話:044-789-9410
営業時間:17:00~24:00 (今後ランチタイムも営業開始予定)