地域への責任を全うする企業の土地資源戦略
企業の土地活用の課題。いざなみ景気、いざなぎ景気を経て巨大化していった重厚長大産業はその成長過程で多くの土地を取得し、その土地を色々な形で活用してきました。多くは巨大な社宅であったり、グラウンドであったりもしました。バブル崩壊後のリーマンショックを経て多くの企業がそういったå土地をどう活用するべきか悩み、さまざまな施策が実行されてきました。多くの場合は不動産デベロッパーに対して売却をするのが流れでしたが、日本製鉄株式会社は違いました。
北海道室蘭市にあった同社のグラウンドをグループ会社である日鉄興和不動産株式会社が開発し商業施設をつくりあげ、それが評価されて平成20年度には『土地活用モデル大賞』都市みらい推進機構理事長賞を受賞しました。商業施設の名前も地域に関連性があるMORUE中島、モルエは室蘭の語源となったモ・ルエラニとモールを組み合わせた造語。地域密着の姿勢が現れた名称。
そのMORUE中島が第三期施設の物販飲食ゾーンを10月26日に着工。モータリゼーションの進んだ地区らしい店舗の作りとなるロードサイド型店舗の集積となる商業施設ゾーンとなる。今回の出店店舗は子供服「西松屋」、回転寿司「魚べい」、ファーストフード「ケンタッキーフライドチキン」、焼き肉「徳寿」と地域のファミリー層に支持されるMDが集積される。
企業の土地活用では土地を販売して終わりというケースが多い中、企業の地域における責任性をまっとうする形で商業施設を建て、その上で地域の住民に必要とされる店舗を集積する姿勢は当然のように評価されるべきですし、地域の方から愛されるべき存在であるべきだと思います。こういった土地開発が増えてくれれば良いのになと思わされるニュースでした。以下、日鉄興和不動産株式会社のプレスリリースより画像と施設概要を引用。
【事業概要】
・施設名称 :MORUE中島Ⅲ期
・所在地 :北海道室蘭市中島本町1丁目3-9の内
・敷地面積 :7,701.07㎡(2,329.57坪)
・延床面積 :1,923.13㎡(581.74坪)※付属建物含む
・構造・規模:鉄骨造平屋建て・木造平屋建て
・着工 :2021年6月10日
・竣工 :2021年10月26日
・開業 :ケンタッキーフライドチキン 2021年10月8日、西松屋 2021年11月6日
魚べい 2021年11月11日、徳寿 2021年12月3日
・事業主体 :中道リース株式会社
・建物設計 :株式会社パルテクノ
・工事施工 :日本国土開発・土屋ホーム共同企業体