京都ポルタ、土産ゾーン「きょうこのみ」を全面刷新 京都駅玄関口で“比較して選ぶ京土産売場”へ再編
京都ポルタ、土産ゾーン「きょうこのみ」を全面刷新 京都駅玄関口で“比較して選ぶ京土産売場”へ再編
京都ポルタが2026年7月、地下街東エリアの土産ゾーン「きょうこのみ」を全面リニューアルする。今回の改装では、大型京土産店「おみやげ街道 きょうこのみ店」を核店舗に据え、新店3店、移転・改装3店の計6店を順次オープンする計画だ。施設側はリニューアルのポイントとして、人気の京銘菓を集めた大型土産店の導入と、売場意匠・通路の刷新による「買い回りしやすい商空間」への転換を打ち出している。
今回の改装で注目すべきなのは、単なる土産店の入れ替えではなく、京都駅で求められる土産購買のあり方そのものに売場を合わせにいった点だ。リリースでは、利用客から土産売場に対して「豊富な品揃え」「ブランドの垣根を超えた比較」「セルフで気軽な購買」を求める声が多いと明記されている。そのため、品揃えと編集力に強みを持つセルフ販売方式の「おみやげ街道」を核に据える一方で、「京都らしい接客を受けたい」「目当ての商品をクイックに買いたい」という需要に応える対面販売の専門店も同じゾーンに残す構成とした。セルフと対面を併置し、比較購買と指名買いの両方を成立させる売場に組み替えたことが、今回のリニューアルの本質といえる。
核店舗となる「おみやげ街道 きょうこのみ店」は2026年7月8日にオープン予定で、既存2店舗とは異なり、より「京都らしい」商品構成と演出を打ち出す。京都ならではの老舗、定番人気商品、トレンドを取り入れたカジュアル雑貨までを揃え、「お土産選びそのものが旅の思い出」となる空間を目指すという。空間面では、360度映像投影が可能な提灯型LEDサイネージを設置し、京都伝統産業ミュージアムの協力を得て京工芸品を内装に活用するなど、物販区画でありながら“京都らしさ”の体感装置としての役割も持たせている。駅直結商業で土産を買う行為を、短時間購買だけでなく体験価値のある時間へ引き上げようとする設計が見える。
ブランド構成でも、今回の再編は京都駅立地に合わせた編集色が強い。新たに入るのは、商業施設初出店となる「atelier京ばあむ」と、「千寿せんべい」で知られる「京菓子處 鼓月」。一方で、既存の「本家佳長」「京都ヴェネト」「三昇堂小倉」も装いを新たに継続する。老舗、定番、新定番を横並びで見比べられる構成にしたことで、初めて京都を訪れる客にも、定番を外したくない客にも応えやすい売場になる。個店ごとの強さに依存するのではなく、ゾーン全体で「京都土産の選びやすさ」を作りにいった点に、館としてのリーシング意図が表れている。
この再編が成立する背景には、京都駅の圧倒的なターミナル性がある。JR西日本の2024年度データでは、京都駅の1日平均乗車人員は17万2040人で、大阪駅に次ぐ同社2位の規模だった。日常利用者と観光客が重なるこの巨大結節点では、土産需要もまた多層的になる。しかも京都市観光協会の2024年12月データ月報によれば、市内主要ホテルにおける外国人延べ宿泊数は前年同月比32.7%増、総延べ宿泊者数に占める外国人比率は56.8%に達している。京都はすでに、国内客だけでなく訪日客を前提にした観光消費の街になっており、駅の土産売場にも「短時間で選べること」「京都らしさが伝わること」「比較しやすいこと」が同時に求められている。今回の「きょうこのみ」改装は、その需要変化に対する駅商業側の具体的な答えといえる。
施設全体の流れで見ても、今回の動きは単発ではない。京都駅前地下街ポルタと京都駅ビル専門店街ザ・キューブは2023年3月1日に統合し、「京都ポルタ」として再編された。統合時点で両施設は、京都駅に立地しながら名称が分かれていたことによる分かりにくさの解消や、ポイント制度の一体化を進めている。現在の京都ポルタは210店舗、ショップ面積1万5500平方メートルの規模を持つが、今回手が入るのはその中でも京都駅の顔になりやすい土産ゾーンだ。統合後の館運営が、名称統合や回遊改善の段階から一歩進み、駅商業としての象徴性が高い区画の再定義に入ったとみることができる。
今回の価値は、「京都土産の店が増える」ことではない。京都ポルタが、京都駅という観光と日常の結節点において、土産売場を個店の集合から“比較して選べる編集型ゾーン”へ組み替えたことにある。そのための売場再編として、今回のリニューアルは駅商業の現在地を示す動きになりそうだ。以下、プレスリリースから画像を引用。








