創業30年のカフェコムサ、新ブランド「Aeka」で次の一手 平安の美意識とフルーツで”日本のカフェ”を再定義へ
ファイブフォックスグループのコムサは2026年3月24日、新ブランド「Aeka by Cafe comme ca」の1号店を品川御殿山のガーデングレイス品川御殿山1階に開業する。営業は月〜金9時〜18時、土11時〜18時。日祝定休という設定は、ビル内の就業者や来訪者を主な利用層として想定した構成だ。
この出店が持つ意味を読むには、カフェコムサ30年の変遷を踏まえる必要がある。同ブランドは1996年、ファッションブランドがカフェを手がけるという当時としてはパイオニア的な業態として始まった。2004年には全国50店・年商48億円という最盛期を迎えたが、その後は低迷。2014年ごろに「日本の食をアートする」をテーマに掲げてコンセプトを刷新し、国産プレミアムフルーツを毎朝パティシエが手作りするケーキという軸で再出発を図った。京都市との文化連携協定締結、各地の希少品種フルーツの積極採用など、日本の食文化・生産者との接続を強みに再構築してきた歴史がある。現在は全国約24店舗で展開している。
そして今回の「Aeka」は、その延長線上にある新章と位置づけられる。ブランド名の由来は平安時代の言葉「あえか」。上品で繊細な美しさを指すこの概念を冠することで、従来の「国産フルーツ×アート」から「日本の美意識×世界の素材との出会い」へと文脈を一段引き上げた。世界各地の希少フルーツも取り込む点は、国産素材に軸足を置いてきたカフェコムサからの明確な拡張だ。メニューはショートケーキを看板に、低温長時間発酵製法のソフトフランスパンを使ったサンドイッチ、コーヒー、パスタと、朝から夕方まで幅広いシーンをカバーする。プレスリリース末尾に「30周年の感謝を、ひとくちの幸せに」と記されており、この出店が節目の意思表明であることは明確だ。
立地については、ガーデングレイス品川御殿山が旧ソニー本社跡地に建つ国内最大級の大型オフィスビルであり、ミシュラン三つ星のカンテサンスをはじめ格のある飲食テナントが入居する環境だ。コムサの本社も同ビル4階に置かれており、外部一般消費者向けの旗艦出店というより、新ブランドの世界観を構築・検証するための実験拠点としての性格が強い。まず自社に近い場所で概念を形にし、ブランドとしての完成度を高めてから展開を判断するという姿勢は、かつての低迷期を経験してきたカフェコムサとしては堅実な選択でもある。
アパレルブランドがカフェを手がける事例は今や珍しくないが、30年にわたり業態の浮沈を経験しながら「日本の食と美意識」という一貫した軸を深掘りし続けてきた企業が、節目に新ブランドで問い直す意味は小さくない。「Aeka」が実験段階を超えて商業施設への本格展開に進む際、コムサが”日本のカフェ”をどこまで再定義できるかが問われることになる。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗情報
Aeka by Cafe comme ca
〒141-0001
東京都品川区北品川6-7-29 ガーデングレイス品川御殿山1F 103
TEL:03-6450-3908
営業日・時間:月~金 9:00~18:00 土 11:00~18:00
定休日:日・祝、他






