渋谷「MOJA」が3月10日刷新オープン 再開発ラッシュが続く街で”滞在の質”を武器に差別化を図る
カフェ・カンパニーは2026年3月10日、渋谷・美竹通りのヒューリック渋谷美竹通りビル2階に「MOJA」をリニューアルオープンした。前身「MOJA in the HOUSE」から業態を全面刷新し、テラス席・ラウンジソファ・ビジネスカウンター・レコードカウンターを備えた100席の滞在型カフェとして再始動した。営業は11時から23時。席数は最大130名規模の貸切対応も可能な体制に整えた。
渋谷では2012年のヒカリエ開業以降、渋谷スクランブルスクエア、渋谷サクラステージ、渋谷アクシュと大型複合施設の開業が相次いでいる。いずれも駅直結の立地と大規模な回遊動線を強みとし、テナントの視認性・集客力において単体路面店とは構造的な差がある。こうした環境下で、駅から徒歩圏・ビル2階という位置づけのMOJAが選ばれるための論理が今回のリニューアルには明確に埋め込まれている。
それが、大型施設が提供しにくい「余白」の商品化だ。カフェ・カンパニーは今回のコンセプトとして、クリエイティブな仕事の合間、大学やアートの帰り道、考えごとを整理したい時間を明示的に想定している。つまり目的来店を前提にした設計であり、回遊消費の取り込みではなく、特定の滞在動機を持つ層への直接訴求に軸足を置いている。
立地がこの戦略を補完する。美竹通り周辺はクリエイティブ系オフィス、ファッション、アート施設、専門学校が集積するエリアで、渋谷の大規模再開発の中心部とは異なる温度感を持つ。渋谷駅は4社8路線が乗り入れるターミナルであり、再開発による人流拡大が続くエリアではあるが、その恩恵を等しく受けられるのは動線上の施設に限られる。美竹通りという”ひとつ外れた坂”の立地は、逆説的に「わざわざ来る人」を選別し、滞在者の質と長さを担保する条件になりうる。
メニュー面では、看板の「ワッフルチキン」やアメリカンダイナーの記号性を継承しつつ、クラフトビール・樽注ぎランブルスコ・オレゴン産缶ワイン・モクテルとドリンクの幅を拡充した。さらにレコードジャケットから音楽を自由に選べるコーナーと定期DJイベントを組み込み、将来的にはレコード物販も視野に入れる。単純な飲食の滞在価値だけでなく、「ここでしか得られない体験」を重層化させることで、再訪動機と来店目的の複数化を狙った構成だ。
運営会社のカフェ・カンパニーは、WIRED CAFEをはじめ国内外で約60店舗を展開し、2021年にはロート製薬と資本業務提携を結ぶなど、飲食を超えたライフスタイル事業へのシフトを続けている。今回のMOJAのリニューアルは、単店舗の改装にとどまらず、同社が各地で実践する「コミュニティ創造」の文脈を渋谷のカルチャー拠点で再実装する試みともいえる。この場所では2006年の「SUS-RESPEKT」以来、20年にわたりその時代の滞在需要に応えてきた歴史がある。今回の転換はその延長線上にあるが、渋谷の商業環境が構造的に変化した今、「滞在の密度」を競争軸に据えた業態再定義として注目される。以下、同社のプレスリリースから画像店舗概要を引用。
店舗概要
MOJA
・オープン日:2026年3月10日(火)
・電話番号:03-6418-8144
・住所:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目11−1 ヒューリック渋谷美竹通りビル 2F
・営業時間:11:00 – 23:00
・席数:100席(※貸切対応可能







