富澤商店、本厚木ミロードに初出店 “つくる”専門店を駅ビルの日常動線へ
2026年3月17日、製菓・製パン材料の専門店「富澤商店」が小田急本厚木ミロード①(地下1階)に「富澤商店 本厚木ミロード店」を開業する。区画は53.62㎡(16.21坪)、取扱いは約3,200点で、オープンから3月20日まで数量限定のお楽しみ袋などの企画も実施する。厚木市への出店は同社として初となる。
この出店が持つ意味は、単なる食物販の追加ではなく、「メイクホビー(手作り)に必要な買い物」を駅直結の反復動線に組み込む点にある。富澤商店は、材料だけでなく道具やラッピング資材までを一式で揃えることができ、家庭の趣味からプロユースまでの“つくる”行為を支える専門性が核になる。駅ビルの食品フロアが強いのは即時消費・補充購買だが、そこに「今日は作る」「週末に仕込む」といった目的買いを持ち込める業態は、来館理由の多層化につながりやすい。
同時に、今回の店舗構成は「趣味のためだけ」に閉じないよう設計されている点も押さえておきたい。リリースでは、小麦粉やバター、ナッツ、ドライフルーツなどの日常使いの食材から本格的な製菓・製パン材料、道具、ラッピング資材までを幅広く展開するとしている。つまり強みは「日常必需の代替」ではなく、日常の買い物の延長線上に“作るための買い足し”が入り込む余地を持たせるところにある。駅直結の立地は、仕事帰りや用事の合間に不足分だけを補充しやすく、手作りのハードルを下げる。
商業施設側の観点では、地下食物販の役割を「毎日使う便利さ」だけで終わらせず、季節行事や家庭内イベントに合わせて“買う理由が更新される売場”へ押し上げるカードになり得る。菓子・パンの手作り需要は、バレンタイン、卒入学、母の日、ハロウィン、クリスマスと波が明確で、ラッピング資材まで含めて完結できる専門店は、短期の山を作りやすい。厚木名物の鮎をモチーフにしたレシピカード配布のように、地域に寄せた提案を加えることで、単なる全国チェーンの導入以上の納得感も作れる。
リーシングの論点は、16坪級・約3,200点という「標準フォーマット」で、目的買いの専門性と、日常の買い足しの取り込みを両立できるかにある。競合は“同じものを売る店”というより、来館者の時間配分であり、食品フロアの回遊の中で「ついでに寄れる専門店」として定着できるかが評価軸になる。初速は限定袋などで作れても、継続は季節提案と定番の厚み、欠品時の代替提案といった運用の精度で決まるだろう。
今後の注目点は三つある。第一に、日常動線の中で「作る予定がない日」でも寄れる定番の厚みをどこまで出せるか。第二に、季節企画とレシピ提案が、単発の来店ではなく再来店のリズムに変換できるか。第三に、ミロード側が食品フロアの価値をどう再編集していくかの中で、富澤商店が“メイクホビーと日常の接点”を担う核になれるかである。ここが立てば、駅ビルの食物販における専門店導入の再現性も見えやすくなる。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■富澤商店 本厚木ミロード店 概要
店名 富澤商店 本厚木ミロード店 オープン日 2026年3月17日(火) 営業時間 10:00~20:00 住所 〒243-0013
神奈川県厚木市泉町1-1 小田急本厚木ミロード① 地下1階電話番号 046-265-0103 区画スペース 53.62㎡(16.21坪) 商品点数 約3,200点




