選ぶ時間が価値になる──WHATAWONで話題を呼んだシール専門店《PETA L♡VE》の集客構造
大阪府岸和田市の体験型複合施設WHATAWON(ワタワン)で、週末限定のシール専門店《PETA L♡VE(ペタラブ)》が開業し、初回開催から想定を上回る来場を集めた。開催初日はオープン前から整理券配布待ちの列が発生し、用意されていた商品は週末2日間で完売。反響を受け、1月24日・25日の再開催が決定している。
今回の動きは、単なる新店オープンというより、WHATAWONという施設が持つ性格と、近年再燃している「シール文化」が噛み合った結果として捉えることができる。WHATAWONは、ファッションや飲食に加え、温浴、ペット同伴、イベントまでを包含する“滞在型エンターテインメントモール”を掲げており、短時間消費よりも「過ごし方」を設計する施設である。その中でも《PETA L♡VE》が展開されたショーディッチハイストリートは、街区型の空間構成を採るエリアで、ポップアップや実験的な業態を受け入れやすい場所として機能している。
一方、シールは近年、文具としてではなく「集める」「選ぶ」「交換する」といった行為そのものが価値として再評価されている分野である。シール帳の再流行や立体・質感重視の商品のヒットを背景に、子ども世代と、かつてシールに親しんだ大人世代が同時に楽しむ文化として広がっている。《PETA L♡VE》では、壁一面に並べられたシールを自由に選ぶ体験を軸に、購入前の迷う時間や、会期中に実施されたシール交換会による交流まで含めて設計されていた。
こうした特徴は、整理券配布によって入店人数を調整し、来場者一人ひとりが落ち着いて滞在できる環境づくりにも表れている。短時間で回転させる販売効率よりも、体験の質を優先する運営は、WHATAWONが志向する「滞在価値」と整合的であり、結果として行列や再開催につながったと整理できる。
施設側の“過ごす場所”という文脈と、出店側の“選ぶ時間を楽しむ”という設計が重なったことで、週末限定の小規模なポップアップであっても強い集客を生んだ。WHATAWONの空間特性と、《PETA L♡VE》が提示した体験型シールショップという組み合わせは、物販と体験の境界が曖昧になりつつある現在の商業施設において、一つの示唆的な事例といえる。以下、株式会社antiquaのプレスリリースから画像を引用。






