ベルク、群馬県最北端エリアに初進出──利根沼田エリアの未出店空白を埋める戦略的拠点として「ベルク沼田店」オープン
食品スーパーマーケットのベルクが、2025年7月23日に群馬県沼田市へ新たに出店する。今回の「ベルク沼田店」は、同社にとって群馬県内21店舗目であり、県最北端への初進出となる。関越自動車道・沼田ICから車で約7分という交通アクセスの良さに加え、尾瀬・吹割の滝・スキー場・キャンプ場など四季を問わず観光客が訪れる「旅の結節点」にあたるエリアである点が特徴だ。
今回の出店により、ベルクはこれまで未出店だった利根沼田エリアという「ホワイトスペース」に対し、初めて明確な拠点を築くこととなった。同エリアには大規模な商業集積は少なく、これまで主に地場の中規模スーパーや郊外型ディスカウント業態が分散的に営業してきた経緯がある。そこに地域日常消費と観光・レジャーの非日常需要を一手に引き受ける形で、広域商圏対応型の新たな商業施設が誕生するかたちとなる。
店舗構成にも特徴がある。核店舗となるベルクを中心に、「ダイソー」「ウエルシア」「TOKYO SHOES RETAILING CENTER」など生活密着型のテナントが複数集積。さらにフィットネスクラブ「カーブス」やコインランドリー、ヘアカラー専門店も配置されており、地域住民の生活導線を意識した構成が際立つ。
また、ベルク店内には独自性の高い売場がいくつも設けられている。専用オーブンで焼き上げるナポリ風ピッツァを提供する「ピッツァリア・ベルフィーチェ」、ハワイをテーマとした色鮮やかなスイーツを揃えた青果デザートコーナー、そして週末には本まぐろや黒毛和牛などを使用した寿司・刺身・焼肉などの「ごちそう大パック」も展開される。日常消費に加え、観光・行楽前の「買い出し」や帰路の立ち寄りニーズに応える売場展開となっている。
出店戦略上の観点から見ても、今回の出店は同社のドミナント形成において重要な布石といえる。ベルクはこれまで関東1都6県に絞り、特に埼玉・群馬・栃木を中心とする地域密着型の集中出店(ドミナント戦略)を展開してきた。その中で沼田市は、群馬県内ではこれまで店舗網が及んでいなかった北毛地域にあたり、これにより同県全域にネットワークを広げた形となる。背後にはすでに前橋・高崎・藤岡などに既存店舗が展開されており、物流・人材・プロモーションといった面で相互連携が見込まれる。
さらにこの沼田出店を起点に、将来的には群馬県北部から新潟県南部(魚沼・南魚沼)エリアへの越境的ドミナント形成も視野に入ってくる可能性もある。観光地に近接した戦略的な立地と、生活密着型店舗の複合構成を併せ持つ本案件は、今後の地方中核都市におけるスーパーマーケット主導の商業施設モデルとして注目される。
商圏人口に対して過剰な商業供給を避けつつ、日常・非日常双方の消費を囲い込む。ベルクのドミナント戦略は、数量的な出店拡大ではなく「地域価値の接続点」としての出店意義を問う段階へと進化しつつある。以下、株式会社ベルクのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗概要】
店舗名: ベルク沼田店
オープン日: 2025年7月23日(水)
所在地: 〒378-0005 群馬県沼田市東原新町1455番-1
営業時間: 9:00 ~ 22:00
駐車台数: 274台
アクセス:
•お車:関越自動車道 沼田ICより約7分
•電車:JR上越線 沼田駅より北東へ約3㎞
テナント:
•ダイソー(生活雑貨)
•ウエルシア(ドラッグストア)
•TOKYO SHOES RETAILING CENTER(靴)
•カーブス(フィットネスクラブ)
•コインランドリー
•ヘアカラー