金沢発の出汁専門店「ダシの三幸」が関東3店舗目としてマルイファミリー志木に出店
金沢を発祥とする出汁専門店「ダシの三幸」が、2025年6月20日にマルイファミリー志木1階に新店舗をオープンする。関東では有楽町、南町田に続く3店舗目で、北陸エリア外での着実な展開が進んでいる。今回の出店は、志木駅直結の中規模駅ビルにおける日常利用層とギフトニーズの双方を視野に入れたものであり、施設の客層とブランドの世界観の重なりが読み取れる。
「ダシの三幸」は、加賀百万石の食文化を継承する金沢にて創業から60余年を数える老舗で、出汁の品質にこだわる専門メーカーとして知られている。昆布や鰹を中心とした和出汁文化が根づく金沢は、もてなし料理の伝統や近隣漁港での豊富な魚種にも支えられ、家庭料理に至るまで出汁を軸とした食文化を維持してきた地域である。金沢特有の料理に代表されるように、出汁は単なる味のベースではなく、地域の味覚をかたちづくる文化要素のひとつとも言える。
今回マルイファミリー志木に開業する店舗では、定番の鰹や鯛を使った出汁パックのほか、高級魚のどぐろを使用した期間限定商品など、全13種の商品をラインナップ。価格帯は税込2,000円から2,500円と幅広く、普段使いから贈答用まで対応する品ぞろえとなっている。中でものどぐろ出汁や野菜出汁といった素材特化型の限定商品は、季節ごとの食卓を彩る選択肢としても注目される。
同施設1階の食品フロアは、地元密着型の商品や素材にこだわるテナントが複数入居しており、惣菜・調味料を日常的に選ぶ層からの支持が高い。周辺には志木駅を利用する乗降客約10万人/日という生活密着の商圏が存在し、同施設のターゲットであるファミリー層や高齢者層にとって、“手軽に上質”という「ダシの三幸」の訴求軸は親和性が高いと見られる。
また、国内外で「UMAMI」として出汁の味覚が再評価される中で、素材や製法にこだわった商品への注目は継続しており、特に都市型施設においては“本格”かつ“手軽”を両立する加工出汁の需要が伸びている。茅乃舎やにんべんといった出汁業態の都市部進出とも重なり、「ダシの三幸」のブランド展開は、北陸発の食文化を全国へ伝播する一端を担っている。
マルイファミリー志木での出店は、地方の老舗ブランドが都市近郊の商業施設に進出する一例として、商業施設関係者にとっても注目すべき事例である。日常の食に根差した“文化性ある専門業態”が、施設内の物販ゾーンに新たな価値軸をもたらすことが期待される。以下、株式会社丸井グループのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
場 所:マルイファミリー志木 1F
オープン日:2025年6月20日(金)
営 業 時 間:10:00~20:00