鉄道商業施設経営の残されたフロンティア
鉄道会社のビジネスモデルは阪急電鉄の小林一三氏がつく上げたもので、そのビジネスモデルは高度成長期、未開発地が多い状況においては盤石なモデルでした。しかしときは2020年。開発できる土地もない、経済成長が大きく見られない、そんな社会背景の中でそのビジネスモデルの限界はとうに来ている状況。もとのモデルとしては都心部にはオフィスビル・百貨店を配置、郊外には観光施設を配置。その間の沿線上に住宅を開発し、ウィークデーは都心部に朝は通勤、お昼は買い物、夜は通勤と電車稼働を上げる。ウィークエンドは郊外の観光地に人を集めるというモデル。住宅もオフィスも百貨店も観光施設もすべての不動産資産を電鉄で結ぶというものでした。
しかしその開発出来る場所がなくなった今電鉄会社ができること、電鉄会社が開発できる場所といえば高架下。高架下がもはやラストフロンティアのような状態で電鉄各社が経営資源を投じて開発を進めています。数年前までは高架下に飲食店を配置して沿線利用者および地域住民に対して電鉄利用促進、施設利用促進を狙った開発が話題になりました。しかし、コロナ禍の中で今高架下開発は新たな局面を迎えています。今回は相模鉄道本線連続立体交差事業で生まれた星川駅~天王町駅の1.4KMの空間をYADOKARI株式会社が企画プロデュースするというもので、『「変化を楽しむ人」がつながる 生きかたを、遊ぶまち』をコンセプトにするとのこと。
現時点で具体的なイメージはまだ出されていませんが、2022年冬の開業を目指して星川駅部ではリニューアルされた星川駅内にカフェなどの食物販店舗などを展開し、地域の生活をサポートし、食とモノの「消費」、天王町駅西側エリアでは、YADOKARIのコミュニティビルダーや「変化を楽しむ人」が生活を営みながら新たな生き方を実践し、様々なイベントやWEBメディアを活用した発信を行いながら、地域とともにアイディアを育成する拠点を創出を行うというもの。大々的な施設をバーンと打ち出すよりもソフトコンテンツで訪れる人を楽しませつなげるそんな場所になるのではないでしょうか?21世紀の小林一三モデルとなるか?期待が募ります。以下、YADOKARI株式会社のプレスリリースより画像を引用。