観光のハブとしての銘菓老舗
各地方に銘菓の老舗企業というのは存在しています。関東近郊で言うと成田なら米屋。川越なら亀屋。鎌倉なら豊島屋。日本全国の観光地には老舗銘菓の企業がたくさん存在しています。老舗企業の強みはこれまで事業継承がなされているので、今後もスムースに事業継承がなされてこれからもその地域の老舗銘菓ブランドを維持する力があること。しかし、これまでと同じ同一線上でお菓子の製造と販売をし続けることができる経済環境・経営環境にないと感じている老舗銘菓の社長たちも多い。彼らは今、老舗銘菓ができることが何で、何をなせばいいのか?模索している最中。
そんな中、明治時代よりも人口が少なくなった都道府県として知名度があがってしまった島根県の銘菓がある挑戦をおこなっています。人口が減少している状況にあるので自然と足元の売上げが低下しつづけていることになる島根県。銘菓などの菓子販売会社が成長もしくは持続的に企業を経営し続けるためには売上を県内の内需からだけではなく、県外からの顧客に対して商品を販売していかなければいけません。これは今まだ島根県だけのことかもしれませんが早晩関東近郊、関西近郊以外の日本国内の地方都市では発生しうる経営課題でもあります。
島根県の銘菓といえば「どじょう掬い饅頭」。どじょう掬い饅頭を製造するのは贈答品・観光土産の製造販売を行う中浦食品株式会社。同社は1686年創業の超老舗企業。その同社が今回出雲市に観光スポットにもなりうるスイーツ販売の商業施設を開業。スイーツ複合施設として「KAKA. IZUMO」という名前で今年3月24日に開業。KAKA.IZUMOには地元農家の野菜を直売するファーマーズマーケット、中浦食品株式会社が運営するkaka1686 Gelateriaという店名のジェラート販売店。施設の軒先では壺の焼き芋、蜜の味という店舗も運営している。同社の強みであるスイーツとお土産をミックスして販売している。
県民が減少する、観光客が来ない、観光客がものを買ってくれない。もしそうであればマーケティングを行い、売れる仕組みをつくるのが術。中浦食品株式会社は観光客が来たくなる施設を自ら立ち上げ、その施設にSNS発信などで集客を試みている老舗銘菓企業として先進的で積極的な取り組みをおこなっていらっしゃいます。今後の同社の動きには注目です。以下、中浦食品株式会社のプレスリリースから画像と施設概要を引用。
■店舗概要
店舗名 : KAKA.IZUMO
開店日 : 2022年3月24日(木)
所在地 :〒699-0711島根県出雲市江田町75-1
https://goo.gl/maps/Fjnq3neUthykDHVY8
営業時間 :10:00~18:00
定休日 : 毎週水曜日 ※大型連休中は無休で営業
URL : https://kakaizumo.com/