地域活性の拠点としての商業
道の駅はいまや郊外のロードサイドのひとつの集客の目玉になっています。1991年に実験的に開始した際はどうなるのか?という感もありましたが、今や当初の目的である道路利用者の休憩の拠点、地域の人々の情報発信の場所は確実に行われており機能しています。うまく展開できている道の駅とそうでない道の駅にはどこに差があるのか?それは道の駅の駅長さんの能力に依存します。道の駅の駅長業務は多岐にわたり、小売・広報・宣伝などの幅広い業務知識がある人もしくはそれをカバーできるほどエネルギッシュな人であれば道の駅を盛り上げることができます。
テストで始まった道の駅も開始から既に30年以上の月日がながれ、道の駅の役割も変わりつつあります。というのも民間で道の駅の役割を果たす事業者が次々と生まれ始めているからです。特に観光地に向かう途中のロードサイドでアクセスが良い場所にある民間の地産地消型の生鮮三品を扱う商業施設は今とても好況。その背景にはコロナで遠出できなくなった都市生活者が車で1〜2時間程度の場所に日帰り観光に流れているからです。それに加えて空前のアウトドアブームでキャンプなどに出かける際の行き帰りのロードサイドにある同様の商業施設も人気となっています。
この6月にも河口湖に大型の地産地消型商業施設がOPEN予定。株式会社大伴リゾートが「旅の駅 kawaguchiko base」を2022年6月11日(土)にオープンするとのこと。オープン当初期は物販、レストラン、カフェという組み合わせでスタートし、ワイナリーの開業、宿泊施設の開業と順次施設の機能を増強する形で段階的開業をおこなうとのこと。物販は地域でとれた新鮮野菜、地域の工芸品、お土産品の販売などといったこれまでよく見た物販機能となりますが、やはり目玉はワイナリー事業。山梨といえばぶどう、ぶどうといえばワイン。日本のワインの発祥の地である山梨にある河口湖ですが河口湖のまわりに実はワイナリーはないために競合が少ない中での開業となりそうです。観光ワイナリーには最適な場所かと思います。
民間主導で地域の方が直接自ら作った農作物を販売できる、地域の方が作った民芸品を販売できる、地域の方のつくった農作物でレストランができる。これらができることで地域を活性することも出来ますし、観光客のニーズも満たすことができるのが道の駅的な商業施設なのではないかとおもいます。今後の「旅の駅 kawaguchiko base」の動向には注目です。以下、株式会社大伴リゾートのプレスリリースより画像を引用。