百貨店のこれからのポジショニング
百貨店の起源は19世紀のフランス、パリのボン・マルシェ百貨店にあるといわれています。より多くの商品を陳列して販売するスタイルが世界各国に派生して広がっていき今の百貨店スタイルがあるといわれており、日本においては三井と越後屋の合併によって創設された三越が最初の百貨店にあたるのではないかといわれています。日本語の百貨店という名称はだれが名付けたのかわかりませんが、広大な敷地に多くの商品を取り揃えることがその名称である百(数多くの)貨(商品を売る)店となっていると言われています。その百貨店もコロナ禍において休業を迫られたりとここ数年大変苦しい営業を迫られていました。
商品を数多く揃える事自体は物理的空間が必要ないアマゾンや楽天などのインターネット通販と百貨店の在庫量を比較するとわかりますが、まずインターネット通販には勝てないということは明白。では百貨店の生き残る道はなにか?1つは接客、CRM。パソコンではできない、しにくい、接客を営業の主軸におくことで他の商業事業者とは異なるアプローチが可能になります。もう一つはバイヤーの目利き力。インターネットで閲覧するだけでは見つからない、素敵な商品をバイヤーが見つけてきて消費者に提案するというものです。しかしながら、インターネットで商品を世界中から見つけることは一般の消費者でも頑張れば可能な世の中になっています。
この百貨店だから提供できる価値について答を出すように、新規事業を株式会社そごう・西武はこの秋に挑戦されるとのこと。CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベース シブヤ)という名称で半年に一回MDを入れ替え、フレッシュな売り場を創るというもの。販売方法も店頭だけではなく、オンラインショップと店頭で購入できるOMOストアとして機能させるとのこと。初回のテーマとなるMDはサステナビリティでコンセプトとなるキーワードはタイムリミットとして環境破壊で地球や文化のタイムリミットが近づいているおりそれを考えさせ、アクションを起こさせるようなブランドを集めるとのこと。(個人的にはものを作って販売しないことがタイムリミットを伸ばす一番の解決策だとは思うのですが・・・。)それらのMDを旬なディレクターをつかって表現するというもの。
ただ商品数を揃えるだけの世界から、ものを通じて価値をただしくコミュニケートする場所として百貨店は生まれ変わるタイミングなのかもしれません。これまでの延長線上での百貨店ではなく、あたらしいポジショニングを模索する百貨店業界の今後の動きに注目です。以下、株式会社そごう・西武のプレスリリースより引用。
【概要】
■ストア名称:CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベース シブヤ)
■オープン日:2021年9月2日(木)予定
■場所:西武渋谷店パーキング館1階 ■面積:約700㎡
■出品企業:50社 ※7月30日(金)現在 ■アイテム数:約300点
■扱い品目:洋品雑貨、衣料品、インテリア用品、化粧品など
■ブランドサイト:https://partner.choosebase.jp
■Instagram:https://www.instagram.com/choosebase_shibuya/