環境変化に応じる業態開発
日本の人口動態は高齢化が今後益々進み、年々人口は減少し続ける。若年者層が減少し消費動向もこの先10年で急激な変化を迎えていくことになる。団塊の世代が完全が年金受給者になり、団塊の世代JRの世代が子育てを一段落を迎えた後、今まで当たり前のように消費していた衣食住の消費割合の変化が始まる。
食は食べないと生きていけない生理現象に最も近い消費性向なのでこれはこれまで通りに推移していく。住についてもある程度は減少するものの最低限の消費はこれまで通りに推移していくことになるであろう。問題は衣服の部分。人口ボリュームの大きい世代の消費が鈍り始めると産業全体が停滞しはじめることになる。
そういった将来予測を見据え業態を大きく変更しようとしている会社がある。株式会社バロックジャパンリミテッド。いわゆる109系のギャル服を2000年代に爆発的にヒットさせた企業で、「MOUSSY(マウジー)」「SLY(スライ)」「rienda (リエンダ)」「RODEO CROWNS(ロデオ クラウンズ)」「AZUL BY MOUSSY(アズール バイ マウジー)」「ENFÖLD(エンフォルド)」などのファッションブランドを日本、中国、香港、米国に展開するSPA(製造小売会社)。国内375店舗、海外303店舗展開する一大アパレル企業。その同社が今回将来を見据えた業態を開発。
SHEL’TTER GREENとSHEL’TTER DELI。これまで進出していなかった観葉植物専門店と惣菜専門店をアリオ川口で開業。SHEL’TTER GREENでは観葉植物やガーデニング雑貨の販売に加えて、オフィスや施設の緑化サポートを展開予定とのこと。廃棄する洋服から作ったポリエステル繊維培地を採用することで廃棄問題解消にも貢献する事業となる模様。一方SHEL’TTER DELIではデリカフーズホールディングスと協業し、栄養バランスや食の安全性を考慮したメニューを開発しテイクアウトだけでなくイートインスペースも用意しているとのこと。
コロナによる市場の健康志向の高まりとアパレル市場の縮小を踏まえての進出と株式会社バロックジャパンリミテッドはプレスリリースで発表していたが、全くことなる事業への進出は簡単ではなく多産多死となることが多い。業界大手の同社におかれましては是非諦めることなく挑戦し、他店舗化することで次の日本の商業の方向性を指し示した業態開発といわれるような取り組みと評価されるような取り組みを行っていただきたいと心から思いました。以下、株式会社バロックジャパンリミテッドのプレスリリースより店舗概要と画像を引用。
所在地:埼玉県川口市並木元町1−79 1F
延べ面積:193㎡ (58坪)
HP:https://sheltter-green-deli.com
Instagram: @sheltter_green(https://www.instagram.com/sheltter_green/)