多様性を受け入れる店舗の形
いまやSDGsを謳わない企業が少なくなってきた感がある。どの商業施設もどのテナントもなにかの形でSDGsに関する話題をプレスリリースでいれてくる。多くの企業が株主やステークホルダーからの要請を受け、SDGsについて言及しているのだが実際問題としてSDGsに正しく向き合って取り組んでいる企業は少ない。
形式的な話ではあるが17の目標とその下にある169のターゲット達成が目標とされている。なのでこの行動はSDGs○○に対応したアクションですと書いてあっても本来であれば、これはSDGs○○ターゲット○○に対応したアクションで、ターゲット○○の何をどこまで達成させるためのアクションですとまで書かないと実際にSDGs達成に向けた行動は言い難い。とはいえどもそこまでやっている企業はそう多くはない。ほとんどがSDGsを販促に使う形になっている。
SDGsを販促に使うことが悪いと言っているわけではない。販促につかっても良いのでSDGsに関するアクションをすることで少しでも良い未来が近づくのであればよいであろう。大切なのは具体的なアクションを行うことだと思う。今回、富山で話題の商業施設マルート富山に株式会社オリンピアが新業態でSDGs的アプローチを行ったとのこと。これがなかなか本気の姿勢が感じられ興味深い。
株式会社オリンピアのバラエティ雑貨ショップオリンピアといえば小学生・中学生のカワイイが好きな子どもたちに響く商品を通路幅狭めに配置された什器にひしめき合うように陳列されたショップ。それを大幅に変更した業態となるのが今回出店のOLYMPIA ASOBIBITO。遊び人という名称に託されたのは多種多様な商品と多種多様な人という思い。什器の配置をこれまでの圧迫陳列から車椅子やベビーカー、高齢者でも安全に安心して回遊できる通路幅を確保。レジカウンターもこれまでの高さから変更し通常よりも低い高さでの商品の受け渡しを可能にしている。注目は福祉事業所で製造されたカワイイ商品を多数取り揃えるという点。まだまだ認知度が低い福祉事業所のカワイイMDをオリンピアを通じて広めていき、同時にちゃんと売上もとるというもの。
多様性を追い求めとても薬臭い社会正義的な店舗を作ると継続が難しくなります。今回株式会社オリンピアは多様性という点で幅広いお客様と共に事業を拡大し発展させようというコンセプトを打ち出し、それを達成するためのアクションを組み立て、実行されました。企業としてぶれない方針を打ち立てそれを実行した同社の取り組みの今後に注目です。以下、店舗概要と画像を株式会社オリンピアのプレスリリースから引用。
■オリンピア 富山マルート店 店舗概要
名 称 : オリンピア 富山マルート店 店舗概要
所 在 地 : 〒930-0001 富山県富山市明輪町1-231 マルート3階
電話番号 : 076-411-8119
営業開始 : 2022年3月18日(金)
営業時間 : 10:00~20:00