地方から動き始める商業
実に4年ぶりに田舎に帰省しておりました。私の田舎は中国地方の中山間地域の雪深いところでした商業施設といえば車で最低でも20分、専門店集積の商業施設となると1時間半くらいかけて移動しなければありません。ここ20年くらいでコンビニエンスストアがいくつか出来ましたが、最寄りのコンビニエンスストアは23時まで営業するスタイルの店舗。そのコンビニエンスストアで面白い試みをされていました。コンビニエンスストア本部とやりとりをして許可を得て販売しているのだと思いますが、地域の障害者作業所の方が手作りで作られたアート作品を販売されたり、地産地消的なアプローチで地元の農家の方が作られた農作物を販売されていました。その中でも光っていたのがその地域の加工食品でした。
はちみつや醤油そして甘酒などの比較的保存ができる加工食品のデザインを今風のデザインに改変し、幅広い売り場で販売できるパッケージングで時代に合ったプロダクトデザインがなされているものがいくつか見られました。百貨店や中川政七商店などが商品の目利きを行い、こういった商品をセレクトして販売して人気商品となっていたものもあります。しかし、徐々にそういった生産者と販売者の役割分担の垣根が昨今なくなってきています。生産者も積極的に自ら売り主として売り場を作るようになってきています。勿論オンラインでの販売もありますがリアルな売り場を自らつくるという動きは今後加速していくかもしれません。
今回のニュースは兵庫県多可郡多可町にある「マイスター工房八千代」と創業135年を迎える兵庫県姫路市の弁当・駅弁・えきそば販売会社「まねき食品」が共同で会社を設立し銀座に店舗を出店するというもの。マイスター工房八千代は天船巻きずしで人気の事業者。「天船巻きずし」は、甘辛い味付けの肉厚しいたけやかんぴょう、専用に栽培された大きなきゅうり、甘い玉子焼きなどの具材が特長。一本一本手作業で巻き上げられ、完成品のパッケージには巻いたスタッフの名前シールが貼るなど手作りを全面に打ち出した戦略をとっている。今回はまねき食品株式会社の協力もあり、「マイスター工房八千代銀座」で、複合商業施設「GINZA SIX」の近くに出店するとのこと。どうやら本店扱いとなるようで、ここをベースに銀座で人気の天船巻きずしという触れ込みで各地方への展開も可能なのではないでしょうか?合同会社まねき・マイスター工房八千代が仕掛ける天船巻きずしがどこまで銀座のお客様に愛され続けるかが課題。一発屋ではなく、地方のええもんを長く愛される店舗に育ってほしいと思いました。以下、合同会社まねき・マイスター工房八千代のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗概要】
〒104‐0061
東京都中央区銀座7丁目11番3号
矢島ビル1階
営業時間:午前11時~午後6時(月・火曜日定休日)【販売価格】
価格1,200円(1本)
700円(ハーフサイズ)(販売当初は、1本での販売のみ)