古着=トレンドなラグタグ新業態usebowlの2号店出店へ
日本の商業施設は自然発生的に生まれたものではなく、駅前商業施設などの多くは百貨店の影響を色濃く生まれながら誕生していきました。百貨店に既に出店していたメーカーを誘致して生まれたのが今の日本の商業施設の原風景となっています。それが最も色濃く出てきたのがバブル期。マルイがDCブランドを集積したメンズフロアを形成し人気を博しました。それ以来、商業施設に出店するお店の雛形がなとなくうまれていきました。バブル後はセレクトショップがファッションフロアを席巻、続いて109に代表されるギャル服などの専門店集積、続いて国産メーカーのライフスタイル提案型大型店舗の誕生、最近ではファストファッション。その時代にあった商業集積が商業施設では展開されていきます。
重要なのは時代によってそのMDは変わるということです。今回はワールドグループでブランド古着の販売と買い取りを行う(株)ティンパンアレイが商業施設向けに開発した新業態のusebowl (ユーズボウル)の2号店がららぽーと新三郷に出店したというものです。古着という文字を見ただけで、ららぽーとも店舗リーシングに苦しんでいるんだなあと短絡的に考えられる方もおられるかもしれません。しかし、古着は昨今世界的に注目されている商材となっています。
世界的な古着ブームの背景にはいくつかの要素があります。まず、環境意識の高まりとサステナビリティへの関心が増加しています。新品の衣料品の製造は大量のエネルギーを消費し、地球温暖化に影響を与えることから、古着の利用は環境に配慮した選択となります。また、古着は個々のスタイルを表現するための手段ともなっています。古着は一点物が多く、自分だけのオリジナルなスタイルを作ることができます。その結果、消費者は古着を探すことに時間と労力を投資することになり、古着ブームを牽引しています。これはファストファッションに対するアンチテーゼとなって新しい流れを生んでいるのかもしれません。
そんな流れを背負ってusebowl はららぽーと横浜店に続く2号店を出店。広い店内を活かし、キッズにまでカテゴリーを広げるほか、人気コンテンツであるアウトドアを拡充。仕入れと編集力で従来の古着店とは一線を画す「ニュースタイル・リユースストア」として、3年で7店舗の出店を計画している。「アメリカンカジュアル」「アウトドア・スポーツ」「ストリート」など10のテーマで店内を構成し、店舗設計と、買い回りし易いレイアウトや楽しめるディスプレーはワールドグループの知見を活かした店舗づくりがなされている。
古着=商業施設の格を下げるではなく、古着=時流を読んでいる、トレンドを踏まえているという流れが生まれる時期に来ているのだと思わされる出店のニュース。今後の(株)ティンパンアレイの出店に注目していきたいところです。株式会社 ワールドのプレスリリースから出店状況と画像を引用。
<今春の出店先>
ららぽーと横浜 (横浜市都筑区) 2023年5月19日(金) 1階・35坪
ららぽーと新三郷 (埼玉県三郷市 )2023年6月23日(金) 2階・80坪