ワタミ、サブウェイ日本法人を買収し全国展開を加速 大阪・堺市に約5年ぶりの出店「イオンモール堺鉄砲町店」オープン
大阪府堺市で約5年ぶりとなるサブウェイの出店が決定した。新店舗「イオンモール堺鉄砲町店」は2024年12月27日にオープン予定であり、運営はWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT合同会社が手掛ける。堺市での出店は南海本線七道駅直結の「イオンモール堺鉄砲町」1階で、集客力が高いショッピングモール内という立地条件が魅力だ。
今回の出店は、ワタミが2024年10月25日にサブウェイの日本国内でのフランチャイズチェーン(FC)事業に参入することを発表した流れを受けたものだ。同日付でワタミは米サブウェイと日本国内でのマスターフランチャイズ契約を締結し、米サブウェイの日本法人「日本サブウェイ」を買収した。これによりワタミは今後10年間にわたり日本国内でサブウェイを独占的に展開する権利を獲得した。買収額は非公表である。
ワタミの渡辺美樹会長兼社長は「日本で3000店を出せるブランドはサブウェイしかない」と述べ、事業拡大への強い意欲を示している。現状、サブウェイの国内店舗数は178店にとどまるが、20年かけて3000店舗まで拡大する構想を掲げている。渡辺氏は「サブウェイは小規模な商圏でも展開できるため、マクドナルドにも対抗できる」と語り、商業施設や駅前への出店を加速させる計画だ。
サブウェイは世界100カ国以上で約3万7000店舗を展開するサンドイッチチェーンで、パンや野菜、ソース、トッピングを自由に選べるカスタマイズ形式が特徴だ。日本では1991年にサントリーホールディングスが設立した日本サブウェイが運営していたが、2016年にサントリーが株式を売却し、以降は米サブウェイが直接運営していた。ワタミは今回の買収で日本市場におけるサブウェイ事業の再成長を目指している。
「イオンモール堺鉄砲町店」ではサブウェイが現在進めている店舗のデジタル化戦略の一環として、「セルフオーダーシステム」が導入される。これにより、顧客は自分のペースで注文しやすくなり、カスタマイズへのハードルが下がる。サブウェイはヘルシーなサンドイッチを売りにしており、健康志向の高い女性客を中心に人気がある。価格も通常サイズで430円と手ごろであり、ファストフード市場において競争力を持つ。
サブウェイは新型コロナウイルスの影響でオフィス街の一部店舗を閉鎖したが、2021年以降は復調し、既存店売上は48カ月連続で前年を上回っている。今回の堺市での新規出店は、回復基調をさらに後押しする形となる。ワタミは宅配給食と居酒屋事業を主軸としてきたが、ファストフード分野への参入により収益基盤を拡大する狙いがある。
サブウェイの成長に期待がかかる中、ワタミはフランチャイズオーナーの募集を強化し、火や油を使用しない安全でクリーンな厨房設計をアピールしている。これにより、出店コストを抑えつつ効率的な店舗運営を実現する方針だ。イオンモール堺鉄砲町店のオープンはその第一歩であり、今後の展開に注目が集まる。以下、WATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT合同会社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【イオンモール堺鉄砲町店 店舗概要】
■オープン : 2024年12月27日(金)
■住所 : 〒590-0905
大阪府堺市堺区鉄砲町1 1F
■営業時間 : 10:00-21:00
■面積 : 63.47㎡(19.2坪)
【店舗特徴】
●デジタル・メニューボードの設置
●セルフオーダーシステムの導入