レジなし店舗の先駆者から日本の新店舗まで:MUJIN書店が切り開く未来の商業形態
最近、私の住んでいる地域のコンビニが自動キャッシャーを導入されました。ですがまだまだ有人レジの前に長蛇の列ができており、ユーザー側が慣れていかないといけないんだなと思わされる光景が毎日お昼時間のピークタイムに見かけられています。しかし、世の中は無人キャッシャーのレジ無し店舗に大きくシフトしています。今回はそんなレジ無し店舗の新店についてのニュースです。まずはレジ無し店舗について説明いたします。
レジなし店舗は、顧客が商品を選び、レジでの支払いや待ち時間なく店を出ることができる新しい形態の店舗です。購入プロセスは四つのフェーズに分けられ、それぞれで異なるテクノロジーが用いられます。購入プロセスは四つのフェーズに分かれています。最初の「事前購入フェーズ」では、通常、専用のアプリをダウンロードする必要があります。次に「チェックインフェーズ」では、店舗のアプリから生成されるバーコードをスキャンして店内に入ります。三つ目の「商品選択フェーズ」では、商品を自由に選びますが、一部の店舗では商品のバーコードをスキャンするなどの手続きが必要な場合もあります。最後の「チェックアウトフェーズ」では、先に述べたテクノロジーが組み合わさって、顧客はレジでの待ち時間なく商品を持って店を出ることができます。このフェーズでは、センサー融合と深層学習によるコンピュータビジョンが主に使用されます。
このような店舗は、現在、米国、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカなどで展開されています。米国ではAmazonが先駆者となり、スポーツ施設やイベント会場でも導入が進んでいます。日本では、一部レジなしの店舗が存在し、大手コンビニチェーンも導入を検討しています。シンガポールでは、レジなしのコンビニが人件費削減に貢献しています。このテクノロジーは、商業の新しい形態を切り開き、顧客体験を高める可能性を秘めています。この技術を活用した書店が日本で実証実験を経て、本格的に1店舗目を出店しようとしています。
株式会社トーハンと株式会社Nebraskaは、山下書店世田谷店で行っていた無人営業ソリューション「MUJIN書店」の実証実験が成功したと発表しました。この成功を受けて、両社は資本業務提携契約を締結し、新たなメディアライン曙橋店でも「MUJIN書店」を導入することが決定しました。実証実験は2023年3月から7月まで行われ、売上や店舗収益に大幅な改善が見られました。また、防犯やセキュリティ面でも問題は発生していません。
実証店舗であった「MUJIN書店」の利用方法は、LINE公式アカウントをワンタッチで友だち追加することで簡単に利用登録ができます。無人営業時間中に店に入るには、ドア横のQRコードをスキャンします(有人営業時間中は認証不要)。また、会計は完全セルフとキャッシュレスで行われ、購買履歴はLINEで確認することができます。
Nebraskaは2021年に「街から書店をなくしたくない」という理念で設立され、高い技術力で「MUJIN書店」を開発。トーハンもこのソリューションの有用性を認め、資本業務提携を通じてNebraskaに出資することを決定しました。今後、両社はこの先行導入店舗での知見を基に、サービスモデルのブラッシュアップを進め、2024年度以降には一般の書店にも導入を拡大する計画です。今回の発表によるとメディアライン曙橋店への「MUJIN書店」の導入が決定し、導入時期は2023年11月を予定しているとのこと。出版業界・書店業界の持続可能な活性化を目指し、次世代型書店モデルの創出に力を今後も注いでいくとのこと。以下、新店の概要と画像を株式会社トーハンのプレスリリースから引用。
メディアライン曙橋店の概要
導入時期は2023年11月
・住 所 東京都新宿区住吉町6-10
・アクセス 都営新宿線 曙橋駅 A2出口より徒歩2分
・営業時間 平日 10:00~22:00 土日祝 10:00~20:00 年中無休
※『MUJIN書店』導入後の営業時間は調整中です