ジャンカラ、北海道初進出で旭川に新業態──カラオケとバルの境界を溶かす207店舗目
西日本最大手のカラオケチェーン「ジャンカラ」を運営する株式会社TOAIが、5月29日に「ジャンカラ旭川3条店」をオープンする。全国207店舗目となる今回の出店は、同社にとって北海道初進出であると同時に、カラオケルームとオープンカウンター「KARAOKE BAL旭川」を併設する複合業態として展開される。単なる地域拡大ではなく、カラオケという業態の境界線を問い直す出店といえる。
バルとカラオケの同居が意味するもの
旭川3条店の最大の特徴は、従来型のカラオケルームに加え、オープンカウンター形式の「KARAOKE BAL旭川」を併設する点にある。このバルスペースでは、客同士がコミュニケーションを取りながらカラオケを楽しめる仕組みとし、カラオケ採点チャレンジといった参加型企画やダーツマシンも導入。個室利用前後のティータイムや待ち合わせ場所としても機能する設計だ。
カラオケ業界において、個室という閉じた空間は長らく業態の前提だった。だがジャンカラは近年、オープンカウンターやBAL UTAOといった開放型空間の導入を進めており、旭川店はその流れを一歩進めた形となる。バルとカラオケを同一店舗内で併存させることで、滞在目的の多様化と客層の重層化を狙っている。
コンセプトルームという差別化戦略
旭川3条店では、ホームシアタールーム、プロジェクター&ステージルーム、朝までみんなで寝ころべルームの3種のコンセプトルームを導入する。ホームシアタールームはブルーレイプレイヤーを常設し、持ち込み映像の鑑賞にも対応。プロジェクター&ステージルームはライブ配信やオフ会、団体利用を想定した仕様とし、寝ころべルームは終電後の滞在需要を取り込む設計だ。
これらのコンセプトルームは、カラオケという行為そのものよりも、個室という空間を多目的に利用させる方向性を示している。ジャンカラはプレスリリース内で「いつでも遊べる憩い場」と表現しているが、実質的には個室空間の時間貸しビジネスとして、カラオケの枠を超えた利用シーンを開拓しようとしている。
北海道初進出の背景と旭川という立地
ジャンカラは1990年のカラオケ事業開始以来、西日本を中心に店舗網を拡大してきた。今回の旭川出店は北海道初進出となるが、札幌ではなく旭川を選んだ点は注目に値する。旭川市は人口約32万人で道内第2の都市だが、札幌に比べれば商圏規模は小さい。それでも旭川を選んだ背景には、観光需要とローカル需要の両取りを狙う戦略があると見られる。
旭川は旭山動物園を擁する観光都市であり、道北エリアの交通拠点でもある。店内装飾にラベンダーやエゾシカなど北海道モチーフを取り入れたことからも、観光客を意識した設計であることがうかがえる。同時に、地域住民の日常利用も見据え、木目調の内装と暖色系照明で長時間滞在に耐える空間デザインとしている。
オープン記念として5月29日から31日の3日間、アプリ会員向けにルーム料金半額キャンペーンを実施する。無料ドリンクバー付きで半額とすることで、地域での認知獲得と会員登録を促す戦略だ。ジャンカラは全店で無人受付精算機を導入し、公式アプリ「すぐカラ」で予約から精算まで完結する仕組みを構築しており、旭川店でも同様のDX基盤を前提としている。
カラオケ業態の変容と次の一手
ジャンカラは近年、カラオケ事業で培ったノウハウを活かし、オンラインカラオケアプリ「UTAO」、買物代行アプリ「HELP!」、女性専用フィットネス「PORT」、温浴施設「湯快のゆ」など多角化を進めている。社名を「TOAI」に変更し、「AIネイティブ企業」を標榜する動きも、カラオケ単一業態からの脱却を示唆している。
旭川3条店は、そうした多角化戦略の一環として位置づけられる。カラオケという業態を維持しながらも、バル機能や多目的個室貸しという要素を加えることで、カラオケ需要の縮小リスクを分散させる試みだ。北海道という新市場への進出は、この複合業態モデルの再現性を検証する場でもある。
旭川という地方都市で、カラオケとバルの境界を溶かした業態がどこまで機能するか。ジャンカラの207店舗目は、カラオケ業界の次の形を占う出店となる。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■店舗概要
店舗名 :ジャンカラ 旭川3条店
所在地 :北海道旭川市3条通7丁目443-2ヨネザワ第4ビル1階
電話番号 :080-6710-8847
営業時間 :10:00〜5:00
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