シェアリングエコノミーと商業施設
シェアリングエコノミーという言葉が徐々に世の中に広がっている。シェアリングエコノミーとは総務省情報通信白書によると
シェアリング・エコノミーとは個人が保有する遊休資産をインターネットを介して他者も利用できるサービスである。代表的なサービスとして、住宅(戸建住宅及び共同住宅)を活用した宿泊サービスを提供する「民泊サービス」が挙げられる。この他にも、一般のドライバーの自家用車に乗って目的地まで移動できるサービス、個人の所有するモノを利用するサービスや、個人の持つ専門的なスキルを空き時間に提供するサービス、空いている駐車スペースを利用するサービス等、様々なサービスが登場している。
というものと定義している。このシェアリングエコノミーは通常の消費活動に大きな影響をあたえている。株式会社ストライプインターナショナルが展開しているメチャカリ(https://mechakari.com)は月額5,800円で洋服を借りることが出来るサービスを、株式会社エアークローゼットが展開するエアークローゼット(https://www.air-closet.com)では月額6,800円〜同様のサービスを展開している。男性向けサービスではネクタイやカフリンクスなどを月額3,800円〜借りられるサービスをFreshNeck Japan株式会社が提供するFreshNeck (https://www.freshneck.jp/)が提供している。これらのシェアリングサービスは消費者の購買行動にゆっくりと影響を与えているように思われる。
矢野経済研究所が調査した「シェアリング・エコノミー(共有経済)市場に関する調査結果2015」では、以下のような市場規模になると見込んでいる。
では商業施設はどうするべきなのか?これに対してまだまだ答えは出ていない。しかし、指を咥えて見ているというわけにはいかない。これに対して株式会社丸井グループはある一つの答えを出したようだ。バッグのシェアリングサービス最大手でベンチャー企業のラクサステクノロジーズに対して出資、同時に本業での連動を開始するとのこと。実際に発生している消費者行動に目をそむけず、受け入れ進化しようとする株式会社丸井グループの英断だと思われる。今後の同社の展開には注目していきたい。
以下、株式会社丸井グループのプレスリリースより抜粋
丸井グループが日本最大のバッグシェアサービス「Laxus」を運営するラクサス・テクノロジーズと事業提携を強化 ~カードと小売、両事業でコラボレーション~
株式会社丸井グループ(本社:東京都中野区、代表取締役社長:青井 浩)は、日本最大のバッグシェアサービス「Laxus(ラクサス)」を運営するラクサス・テクノロジーズ株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長:児玉 昇司 以下「ラクサス」)と事業提携を強化し、当社グループのクレジットカード「エポスカード」や、小売店舗「マルイ」「モディ」を通じて、さまざまな取組みをすすめてまいります。当社グループは、すべての人の「しあわせ」をステークホルダーと共に創る「共創経営」をすすめています。ベンチャー企業との協業による共創活動をすすめることで、その企業が持つ独自のノウハウと、当社グループの経営資源やノウハウを組み合わせ、新しい価値を共に創り上げてまいります。
その一環として、ラクサスとの取組みを2017年4月よりスタート。資本提携を皮切りに、「ラクサス」と「エポスカード」とのキャンペーン展開や、「マルイ」「モディ」への出店など、シェアリングサービスの提供について包括的な事業提携を推進してまいります。<ブランドバッグシェアアプリ『ラクサス』>
月額6,800円(税抜)で、52ブランド20,000個(2017年9月時点)を超えるバッグの中から、お好きなバッグを無期限で利用できる、新感覚のブランドバッグレンタルサービスです。
「高すぎて買えない」「バッグを保管するスペースがない」というようなストレスから女性を解放するためにサービスを展開し、20~50代の女性を中心に利用されています。
■ 取組み(1)ラクサスへの出資 ※2017年4月~
当社グループは、顧客満足をさらに高める新規事業の展開を、かねてより模索してまいりました。その中でシェアリングエコノミーについては、グループ事業との親和性があり、かつシナジー効果を生みだす可能性を持った事業ととらえております。
そこで2017年4月より、5カ年の中期経営計画に掲げた新規事業投資300億円の 一環として、業界のトップランナーであり、当社グループと顧客層が近いラクサスへ出資をおこない、事業提携をスタートいたしました。■ 取組み(2)エポスカード ご優待キャンペーン ※2017年9月~
ラクサスが運営するアプリ「ラクサス」と、当社グループが発行するクレジットカード「エポスカード」がコラボレーション。エポスカードのご入会および、「ラクサス」でのご利用に伴うさまざまな特典をご用意したご優待キャンペーンを展開し、相互送客をはかってまいります。
≪新規ご入会特典≫
「ラクサス」のアプリ、PCサイト、メールマガジンに掲載されたエポスカード申し込みバナーから新規ご入会いただいたエポスカードでのお支払いで、「ラクサス」のご利用料金が、最大4カ月間20%オフとなります。
≪ご利用特典①≫
「ラクサス」でのエポスカードご利用で、マルイでのショッピング割引や、商品券・ギフトカードとの交換等にご利用いただける「エポスポイント」を通常の3倍付与いたします。
≪ご利用特典②≫
エポスカード会員向けのご優待サイト「エポトクプラザ」にて、専用クーポンコードを取得、「ラクサス」公式アプリで入力いただくと、「ラクサス」ご利用時に使える「ラクサスポイント」を、2,000円分プレゼントいたします。■取組み(3)「マルイ」「モディ」でのリアルショップ展開 ※2017年11月~(予定)
「ラクサス」アプリにおけるオンラインでの取組みに加え、有楽町マルイ、新宿マルイ 本館にて「ラクサス」の期間限定ショップを展開いたします。
ラクサスにおいては、リアルの場における初の事業展開となり、当社グループにとっては、シェアリングサービスという新たな事業のトライアルとなります。今回の期間限定の出店を通じて、シェアリングサービスに対する お客さまのニーズをとらえ、今後の常設ショップ展開を検討してまいります。≪期間限定ショップ スケジュール≫ ※予定
・有楽町マルイ
11月18日(土)・19日(日)、12月2日(土)・3日(日)
・新宿マルイ 本館
11月25日(土)・26日(日)、12月9日(土)・10日(日)
さらに10月中旬より、当社グループの従業員がラクサスへ出向いたします。スタートアップ企業での経験と、最先端のIT企業に不可欠なスキル・ナレッジの習得を通じ、次世代を担うベンチャーマインドをもった人材育成をすすめてまいります。
当社グループは、今後も本業とのシナジーを見込める事業領域を担う企業との協業をすすめ、さらなる顧客満足度の向上につとめてまいります。