コロナを超える新業態の誕生 | 商業施設ニュース
日本全国見渡して旅行代理店といえば多くの人がJTBさんの名前を挙げられると思います。私は西日本出身ですので実は近畿日本ツーリスト株式会社さんのイメージが強いです。遠足や修学旅行の添乗員さんは大体近畿日本ツーリスト株式会社さんだった気がします。遠い記憶なのでもはや定かではありませんが・・・。今回はその近畿日本ツーリスト株式会社の新業態のニュースです。旅行代理業務はコロナ禍の影響を大きく受けた業種。株式会社帝国データバンクが2021年6月に発表したデータによると旅行会社の倒産・廃業件数は年間200件ペースで急増し、業績は9割超で減収、赤字は7割とのこと。
コロナという大きな禍のせいでこれまで考えても居なかった打撃を大きく受けてしまった業態の旅行会社。近畿日本ツーリスト株式会社もその1社であることに変わりはありません。グループ全体で見ると検討している状況ではあるもののまだ営業損失がある状態。ちなみにKNT-CTホールディングスの22年3月期中間期の連結決算は純損失が68億5300万円、前年同期の168億4600万円から大幅に縮小。第三者割当増資で400億の資金調達を行い、純資産を234億円として債務超過から脱した。売上の拡大の核となったのはPCR検査などのコールセンター業務であったために、本質的な事業の回復の状況とはまだ遠い状況にあるのかもしれません。
しかし、今回の新業態は近畿日本ツーリスト株式会社の大転換であり復活の狼煙となるのではないかと期待をさせる展開。これまでの事業で培ったノウハウを転換し、シナジー効果が発揮できる分野への進出を行うとのこと。旅行パンフレット作成のノウハウを活かしたプリンティング事業としてオンデマンド印刷でトートバッグやTシャツなどを店舗で印刷。デジタルコンテンツ活用事業として、写真からホログラムを作成し疑似体験を体験できるサービスの開発。地元企業や大学とのコラボレーションによる新たな可能性の模索など幅広い挑戦に取り組むとのこと。
この新業態は近畿日本ツーリスト株式会社の東大阪店で展開されることになりますが、コンテンツはグループ企業の株式会社KNTビジネスクリエイトが提供するとのこと。グループ企業内部のシナジー、自社が培ってきたノウハウの提供、他社とのコラボレーションと新規事業のエッセンスをすべて入れたこの新店が今後どうなっていくか期待です。以下、KNT-CTホールディングス株式会社のプレスリリースより画像を引用。