ガチャガチャは「テナント」ではなく「装置」へ──gashacoco、ビッグエコーへの初インショップ出店が示すコラボ型展開の可能性
2026年1月30日、カプセルトイ専門店「gashacoco」が、兵庫県神戸市の商業施設プレンティ内にあるカラオケ施設「ビッグエコー西神中央」の一部区画に出店する。店舗名は「gashacoco ビッグエコー西神中央プレンティ」で、フランチャイズ32号店としての位置づけとなる。gashacocoがカラオケ施設へ出店するのは今回が初めてである。
出店先となるプレンティは、西神中央駅前に立地する大型ショッピングモールで、地域の日常利用を支える施設である。今回の売場は、館内テナントであるビッグエコー西神中央の既存区画の一部を活用したインショップ型となっており、新たな独立区画を設けるのではなく、既存施設の動線上にカプセルトイ売場を組み込む形を取る。この形式は、共用部や空床に近いスペースを効率的に活用できる点で、商業施設側にとっても運営リスクを抑えやすい。
出店者であるgashacocoは、2019年に立ち上げられたカプセルトイ専門店ブランドで、全国153店舗を展開している。特徴は、人的接客に依存しない「装置営業」によって成立している点にある。スタッフ常駐を前提とせず、補充や入替といった定期作業で運営できるため、人件費を抑えながら売場を維持できる。また、カプセル自動販売機という装置自体が購買行動を完結させるため、通過動線上での衝動購買を取り込みやすく、23坪程度の区画でも十分な売場効率を確保できる。
こうした装置営業の特性は、今回のような異業態とのインショップ出店と親和性が高い。カラオケ施設は滞在型の業態である一方、受付前後や待ち時間など、利用の合間に短い余白時間が生じやすい。そこに、短時間で完結するカプセルトイ売場を組み込むことで、主業であるカラオケ利用を阻害することなく、追加的な消費接点を生み出すことができる。音や匂い、提供オペレーションが他業態に影響しにくい点も、ガチャガチャ業態がコラボ出店に適している理由の一つである。
今回の出店は、ハピネットと第一興商による協業のもとで行われる。プレスリリースではフランチャイズ32号店として位置づけられており、第一興商が何らかの形でフランチャイズ運営に関与していることが読み取れる。ただし、フランチャイズ契約の名義が第一興商本体なのか、子会社・関連会社なのかまでは明記されていない。少なくとも、ビッグエコーという既存業態が持つ立地と人流を前提に、gashacocoの装置型売場を組み合わせる試みである点は確かである。
この動きは、今後の発展余地も示している。カラオケ施設が保有する音楽コンテンツやIP、アニメ・ゲームなどとの連動による限定カプセルの展開など、体験価値と物販を結びつけるコラボの可能性が考えられる。装置営業であるがゆえに、こうした企画は運営負荷を大きく増やさずに実装でき、双方にとってリスクが低い。
プレンティという地域密着型商業施設の中で、ビッグエコーという滞在型サービスと、gashacocoという装置型物販が組み合わさる今回の出店は、テナントが単独で成立するのではなく、既存業態の価値を拡張する「装置」として機能するカプセルトイ業態の位置づけを示す事例といえる。施設側の更新と、出店者側の装置営業という両面から見ても、今後のインショップ型・コラボ型出店の一つの方向性を示している。以下、株式会社ハピネットのプレスリリースを引用。
店舗概要
■『gashacoco ビッグエコー西神中央プレンティ』店舗概要
[店舗名称] gashacoco ビッグエコー西神中央プレンティ
[所在地] 兵庫県神戸市西区糀台5丁目6番1号 二番館1階
[営業時間] 9:00~24:30







