UCCジャパン、ウーブンシティで未来型カフェを展開 – 実証実験都市での商業の新たな形に注目
UCCジャパン株式会社は、トヨタ自動車が静岡県裾野市で建設を進める未来都市「Toyota Woven City(ウーブンシティ)」に参画し、2025年秋のオフィシャルローンチに合わせて未来型カフェをオープンすることを発表した。このプロジェクトは、ウーブンシティに住む人々や訪れるビジターに新しいコーヒー体験を提供するだけでなく、商業の新たな在り方を模索する重要な取り組みとなる。
ウーブンシティは、モビリティの未来を支える「テストコース」としての役割を担い、ヒト・モノ・情報・エネルギーが連携する「生きた実験都市」として設計されている。UCCジャパンは、このユニークな環境で、コーヒーを通じて社会的なつながりや創造性を促進する未来型カフェを展開する。カフェは単なる憩いの場にとどまらず、コーヒーが対話を促進し、ポジティブなコミュニケーションを生むという仮説を検証する実験場としての役割を果たす予定だ。
ウーブンシティでは、住人や訪問者を「Weavers(ウィーバーズ)」と呼ぶことが特徴の一つとなっている。「Weaver」という言葉は「織る」を意味する「weave」に由来し、これはトヨタの創業者・豊田佐吉が織機を発明した歴史と精神を象徴する。豊田章男会長は、「誰かのために」という佐吉の理念を受け継ぎ、ウーブンシティで未来を共に創造する住人やビジターをWeaversと名付けた。彼らは未来のモビリティや新たなサービスが日常生活の中で実証されるプロセスに関わり、その経験やフィードバックを通じて街の価値を共に紡いでいく存在である。
また、ウーブンシティのもう一つの重要な存在が「Inventors(インベンターズ)」と呼ばれる企業群である。インベンターズは、ウーブンシティに集う発明家や企業が、新たなプロダクトやサービスの開発・実証を行う役割を担う。UCCジャパンのほか、ダイキン工業、ダイドードリンコ、日清食品、Z会といった企業がインベンターズとして参画する。これらの企業は、エネルギーや通信などインフラを支えるエネオス、NTT、リンナイなどのパートナーと連携し、ウーブンシティで新たな技術やサービスを生み出す。
UCCジャパンは、これまでにも水素焙煎による環境負荷の少ないコーヒーや、新しいコーヒー体験を提供する「YOINED」など、革新的なプロダクトを市場に投入してきた。ウーブンシティでの未来型カフェでは、これらの技術やプロダクトを活用し、新しい商業空間の可能性を探る。住民や訪問者はカフェで提供される新たなコーヒー体験を通じて、日常の生活や仕事の質を高めることが期待されている。
未来型カフェでは「コーヒーがポジティブな感情を引き出し、対話やディスカッションを活性化させる」という仮説を検証する。これは、仕事の効率向上や学習環境の改善など、多方面にわたる効果を見込んでいる。さらに、この実証実験を通じて得られたデータや知見は、今後の商業施設や都市計画に反映される可能性が高い。
ウーブンシティは、商業の形態やモビリティが融合する未来の都市モデルとして注目を集めている。UCCジャパンの未来型カフェは、単なる飲食スペースに留まらず、商業が都市機能の一部としてどのように進化していくかを示す象徴的な存在となるだろう。
2025年秋のオープンに向けて、UCCジャパンはトヨタおよび他のインベンターズ企業と連携し、実証実験都市としてのウーブンシティで商業の未来を形作る一翼を担う。商業施設業界にとっても、実証都市での商業の新たなモデルケースとして、UCCジャパンの取り組みが今後の指標となることが期待される。以下、UCCジャパン株式会社のプレスリリースから画像を引用。