TSUTAYA BOOKSTOREが中国国家5A級観光地に初出店「無錫恵山映月里店」オープン
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)とその子会社である蔦屋投資(上海)有限公司は、無錫市梁渓区に「TSUTAYA BOOKSTORE 無錫恵山映月里店」を12月28日にオープンした。今回の出店は、中国国家5A級観光地である惠山古鎮での初出店となる。
無錫市中心部から約2kmの恵山古鎮は、地下鉄4号線「惠山古鎮駅」から徒歩5分の位置にある。都市再生プロジェクトの一環として進められているこのエリアは、伝統的な観光地としての魅力だけでなく、現代のライフスタイルに対応した商業施設の構築を目指している。
店舗デザインには「光」と「緑」をテーマに採用し、中国伝統建築とTSUTAYA BOOKSTOREのモダンな空間が融合されている。屋内外の空間には豊かな自然光が差し込み、植物や特徴的な照明が設置されており、訪れる人々にとって快適な時間を提供することが期待される。
「TSUTAYA BOOKSTORE 無錫恵山映月里店」は、清朝時代の祠堂の旧跡を利用した建物に書店、文具雑貨売り場、カフェを併設している。約35,000冊の書籍と約57,000点の文具・雑貨が並び、約100席のカフェエリアを含む「BOOK & CAFE」空間が広がる。訪問者は、歴史ある建築の中で読書や買い物を楽しむことができる。
店内のレイアウトは伝統的な江南民家のスタイルを踏襲しつつ、ガラス屋根を追加することで屋内外を一体化。自然光が差し込む空間は、時間帯や季節によって異なる表情を見せる。什器や照明にはそれぞれのエリアに合った素材とデザインが選ばれ、古典的で優雅な雰囲気を創出している。
書籍のラインナップは文学、アート、デザイン、人文科学、ライフスタイルなど幅広く、言語の垣根を越えて中国語、日本語、英語の書籍がテーマ別に陳列されている。さらに、ここでしか手に入らない限定セットや原田治氏のデザインブックなどの特典付き商品が揃う。
KIDSエリアには高さ130cmの「シークレットベース」が設けられ、子どもが自由に出入りできる遊び心のある空間が提供される。親子向けのイベントもオープン後に随時開催される予定だ。
また、陶器やプリザーブドフラワーなどを扱うテナントも併設されており、地域の文化や工芸に触れられる場としての役割も果たす。生活雑貨店「錦倉Lifestyle」では、有田焼や鍋島焼などの陶器が販売され、「Ladyran」ではブリザーブドフラワーを展開。記念撮影ができるプリクラ機も設置されており、限定フレームが楽しめる。
こうした文化と商業の融合を図る取り組みは、無錫の新たなランドマークとして地域の活性化を促すことが期待される。日本国内でも、足元人口が多い鎌倉や川越、京都などの観光地で同様の出店が望まれるところだ。しかし、地元行政の支援や協力が十分に得られていないのかもしれない。観光地の魅力を維持しながらも空き店舗が目立つ商店街では、地元産業を守りつつ有名ブランドを誘致するなど、積極的な施策が求められる。商業施設と文化を融合した新たな試みは、国内観光地の再活性化にもつながるのではないだろうか。
以下、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【TSUTAYA BOOKSTORE 無錫恵山映月里店】
■所在地:江蘇省無錫市梁渓区宝善街18号恵山古鎮恵山浜17号、19号
■店休日:なし ※予告なく変更になる場合がございます。
■取扱商品:書籍・雑誌(中文書、日文書、洋書)、雑貨・文具など
■店舗面積:1750㎡
■営業時間:09:30~21:30