Trie(トリエ)京王調布に行ってきました
雑然とした駅前が線路の地下化に伴い大きな広場となり見違えるほどきれいな街になっていました。まだ、完成形ではないようで工事が続いています。完成すると樹木の茂った公園のような駅上広場になるようです。
Trie(トリエ)京王調布は京王電鉄調布駅の駅ビル的商業施設でA、B、Cの3棟からなっています。
B棟はビッグカメラ、C棟はイオンシネマをそれぞれ核として低層階に飲食店、中小専門店が入っています。
A棟が駅上の施設で食品とアパレルを中心としたファッションビル的テナントの構成になっている、俗にいう「駅ビル」的MDと言えます。
1Fの「成城石井」を中心とした食のゾーンで、さすが「成城石井」さんは、SMとレストランをコラボさせた「グローサラント」にチャレンジし、リアル店舗の将来に向けての試行を行っている。上のフロアに昇ってゆくと・・・うーん、普通ですね。上に昇れば昇るほどテンションが下がってくる。なぜだろうか?
今、小売業はECの登場・発展によって、リアル店舗の存在価値はどこにあるのか?という問いを自らに投げかけ、急いで最適解を求めなければならない緊張感のある時代を迎えているはずだ。特にSCに至ってはいかにしてお客様にわざわざ来館してもらうかを試行錯誤している真っ最中だ。イオンモールの新規開発SCには常に新しいチャレンジがみられ、その緊張感が伝わってくるし、これは三井不動産「ららぽーと」も同様である。いかにリアルな楽しさ、よろこび、非日常感を演出、提案してゆくか・・・生き残りをかけたチャレンジである。
その緊張感が全く、この施設にはない、というか感じられない。ただ、駅ビルだから、ほっといても駅だから人は来るよ、という事なのか?確かにその通りだ。であれば徹底的に駅利用者の利便性をアップさせるようなMDにするべきで、俗にいう買い回り品は排除してよいだろう。「ストップthe新宿」をコンセプトの一つにしたとも聞く。そんなことできるわけがない。
当面、リアルSCとして、できることは ①人とのコミュニケーションの楽しさを感じてもらう ②その他なにか楽しい事の提供する ③心地よい空間を提供する という事ではないだろうか。これをどのような形で消費者に提案してゆくか具体的に真剣に考え考え考えてゆかなければSC開発する意味がないと思う。
デベロッパーである京王電鉄さんが、「いや、全テナントさんにお願いして最高のコミュニケーションスキルをもった店長、店員を配置してもらっています」「いや、支配人を中心に年間1,000回を超えるイベントを企画・計画しています」という事であれば素晴らしい事です・・・が、そんな感じしなかったな、インフォメーションの女の子も「今日、派遣で来たばかりでこの施設の事何も知りませーん、うふふ」みたいな対応だったし。笑顔はかわいかったですけど・・・あっ、これはリアルならでは!?
いずれにせよ、小売り額全体に占めるECの割合は少なくともアメリカ並みの30%までは近々にいくだろうと言われる現在、今後のSC開発についてリアルSCとしてできる事は何か、ECとの差別化のポイントはどこか、という事を真剣に考えて型にしてゆかねばならない、とリアルSCビジネスに携わるものとして強く感じている。