P・SPOが今治ワールドプラザに新拠点 「ジム」単体では競合過密、複合機能で勝負する24時間型の設計
愛媛県今治市の商業施設「今治ワールドプラザ」に、P・SPOの新店舗「P・SPO ワールドプラザ店」が2026年2月5日にグランドオープンする。オープンに先立ち、2月2日から2月4日まで施設見学会を実施する予定で、利用前に中身を体験させる導線を用意した。店舗はジムとゴルフエリアを24時間で運用し、カフェ、個室カラオケ、酸素カプセルなどを組み合わせた複合型とされ、規模は約800㎡をうたう。
この動きを「フィットネスの新店」としてだけ捉えると、勝負が厳しくなる前提が抜け落ちる。周辺をジムという機能に絞って見れば、選択肢が厚いエリアに踏み込む構図になるからだ。24時間の大手ジムがすでに存在し、低価格でライトユーザーを取り込む簡便型の運動業態もある。商業施設併設で長時間営業を行うジムも確認でき、さらにプール等を含む総合型スポーツクラブ、女性専用の短時間サーキット型、公共施設のトレーニング室といった「目的の異なる受け皿」まで重なっている。利用者は価格、近さ、営業時間、設備の厚み、混雑の少なさを軸に比較検討しやすく、参入側は“選ばれる理由”を明確に設計しない限り埋もれやすい。
競合が多いことは不利である一方、需要の存在を示すシグナルでもある。運動習慣が一定程度根付いている地域では、生活動線に合う店舗が現れたときに、既存店からの移動や再配置が起きやすい。ただし、その局面で武器になりやすいのは「24時間」という言葉そのものではない。24時間を提供する選択肢が複数ある環境では、営業時間は前提条件に近づき、差は別のところに移る。入口から利用開始までのストレス、駐車場からの距離感、ピーク時の快適性、マシン構成の納得感といった体験の細部が、最終的な選択を左右しやすい。
そこで効いてくるのが、P・SPOが採った複合構成である。ジムにゴルフ、カフェ、個室カラオケ、酸素カプセルを重ねる設計は、競争の土俵を「ジム同士の横並び」からずらす狙いと整合する。運動の前後に休憩や滞在理由を付け足せるほど、来店のハードルは下がり、「運動だけ」の予定が「用事の束ね方」に変わる可能性が出てくる。商業施設内という立地は、買物や別用途と結びつけやすいという点でも、純粋なジム比較に引き戻されるリスクを和らげる余地がある。
ただし、複合化はメリットと同じだけ運営難易度も上げる。24時間運用は、深夜・早朝の安全性、清掃品質、トラブル対応、入退館ルールの設計が成果を左右する。滞在性の高い機能が共存すると、動線や音、待機、受付の設計が甘い場合に「便利なはずが落ち着かない」という体験になりやすい。施設側にとっても、にぎわいをつくるだけでなく、時間帯ごとの人流の出方、近接テナントへの干渉、館内回遊の促進を同時に成立させる運用が問われる。ここでのつまずきは“設備の良さ”を打ち消しやすく、開業直後の評価を左右する。
床の使い方という観点から見ると、今回の導入は「空区画を埋める」よりも、「施設全体の稼働時間と来館頻度を組み替える」タイプに近い。競合が多いエリアで新店が伸びるとき、勝因は会員数の増減だけでは説明しきれないことが多い。平日夜間帯を含めて来館が増えるか、運動前後の行動が館内の他用途へ波及するか、センターコート周辺の人の滞留が“賑わい”としてプラスに働くか、それとも通行性を阻害してマイナスに出るか。こうした変化が数字と体験の両面で確認できるかどうかが、施設側にとっての導入効果になり、同種の提案が他施設へ広がる際の説得材料になる。
今後の注目点は、短期の集客反応を超えたところに置かれる。見学会から開業初期の勢いが一過性で終わらず、2月以降に利用頻度が安定するか。24時間運用の価値が、混雑の平準化や快適性の担保として体験に落ちているか。そして、ジム以外の機能が“おまけ”ではなく、来館理由を束ねる実用として根付くかである。競合が多い場所だからこそ、勝負は「どれだけ安いか」よりも「なぜそこへ行くのか」を増やせるかに移る。P・SPOの今回の出店は、複合型24時間という設計思想が、実際の行動変化として成立するかを測る事例になっていく。以下、株式会社三福ホールディングスのプレスリリースから店舗概要と画像を引用。
■ 店舗概要
店舗名:P・SPO ワールドプラザ店
所在地:〒799-1506 愛媛県今治市東村1丁目14-2ワールドプラザ センターコート2F
電話番号:0898-52-3787
グランドオープン日:2026年2月5日(木)
営業時間:24時間営業※ジム・ゴルフエリアのみ※一部エリアは9:00~21:00





